中国とロシアの両国海軍による合同軍事演習が南シナ海で始まった。両国は米国が主導する国際社会への反発を強めており、初めて南シナ海を舞台に選び、協調姿勢を強めている。資料写真。

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2016年9月17日、中国とロシアの両国海軍による合同軍事演習「海上連合−2016」が12日、中国広東省湛江市沖の南シナ海で始まった。南シナ海での合同演習は初めてで、19日まで続く。中ロ両国は南シナ海問題、クリミア問題をそれぞれ抱え、米国主導の国際社会への不満を共有。蜜月ぶりを見せつけ、米国や日本をけん制している。

中ロ「海上連合」演習は、両国の枠組み内で、最大規模の合同軍事演習。12年から毎年実施されており、12年は青島市付近の黄海の海域、13年はウラジオストク付近の日本海で行われた。14年は中国に戻り、長江河口から東の東中国海北部の海域・空域で実施。15年の演習は2段階に分かれ、第1段階は地中海の海域、第2段階は極東地方の日本海の海域・空域で展開された。

中国は南シナ海進出をめぐり、常設仲裁裁判所(PCA)で7月に「完敗」してから2週間後に今年の演習計画を公表。その際、国防部報道官は「定例の演習。第三国を対象としていない」とわざわざ説明したが、何を意識しているかは明白だ。

ロシア海軍の艦艇は12日午前、湛江市の軍港に入港。港では盛大な歓迎式が行われ、軍楽隊が中ロ両国の国家を演奏し、ロシア海軍副司令官のフェドテンコフ中将らを出迎えた。中国国営新華社通信によると、今回の演習には両軍合わせて艦艇15隻、軍用機21機が参加する。

PCA判決について、ロシアのプーチン大統領は9月初め、中国・杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議に出席した際、PCAは紛争当事者の意見を聞かねばならないにもかかわらず、「中国の主張を聞いていない」と指摘。「中ロは結束している。ロシアは(判決受け入れを拒否した)中国の立場を支持する」と明言した。

ロシアはウクライナとの対立を背景に14年3月、クリミア半島の併合を強行。米国や欧州各国は「領土略奪」と批判を強め、G8(主要8カ国)からロシアを排除した。これに呼応するかのように中ロ両国は接近。昨年9月の抗日戦争勝利70周年軍事パレードでは天安門上に中国の習近平国家主席とプーチン大統領が肩を並べた。同年5月、モスクワの「赤の広場」で行われた対独戦争勝利70周年記念式典では欧米首脳が出席を見送る中、習主席が主賓として扱われた。

プーチン大統領は今年6月にも習主席の招きで訪中。中国国営メディアは「両国の元首は戦略的協力の精神と世代を超えた友好の理念を堅持し、相互支援を強化し、政治的・戦略的相互信頼を増進し、揺らぐことなく中国・ロシアの全面的な戦略的協力パートナー関係の深化に努力をすることで一致同意した」と成果を強調した。

中ロ両国は今年5月、モスクワで弾道ミサイル迎撃の机上演習を初めて実施。在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備反対でも一致する。両国を含む上海協力機構の加盟国は、15日から」21日にかけてキルギスで、対テロ合同軍事演習「平和の使命−2016」を繰り広げる。参加人員は計1100人で、中国は約270人を派遣するという。(編集/日向)