「貧困女子」……学校、仕事、交友関係など、あるときまでは“普通”だったのに、気が付けば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソード。

今回お話を伺ったのは、離婚から10年間、東京都品川区内にあるシェアハウスに住んでいる、島田桃子さん(仮名・39歳)。彼女は東京都の都心にある女子大を卒業し、当時ブームだったITベンチャー企業に採用され、社長室勤務となりマーケティングを担当。そして、27歳のときに埼玉県に住む公務員の男性と結婚し、寿退社します。しかし、年収700万円程度の彼の収入では桃子さんが思い描いていたような生活はできず、子供を授かるも経済的な理由で断念。その他、さまざまなストレスが蓄積し離婚したのが10年前。その後、派遣社員をしつつ、シェアハウス暮らしをしています。

「どうしても20代のうちに結婚したくて、いろんな人に紹介を頼み、手当たり次第にお見合いをしていました。今、婚活とか言っていますけれど、10年前からそうでしたよ。30代から始めたのでは遅すぎる。まともな男性は、20代のうちから売約済みになっていくので、ホントに焦っていました。だから、公務員というだけで、前の夫と結婚してしまったのだと思います」

彼は省庁勤務で年収700万円、桃子さんより8歳年上だった夫と結婚した理由とは?

「今だから言えるのですが、ホントにそれだけで結婚を決めました。埼玉県草加市にマンションを買っているのもいいかなと。私の大学はハデなことでも知られる女子大で、美人も多いです。スクールカーストのトップクラスの同級生は25歳前後で結婚しています。相手は年収2000〜6000万円くらいの外資系銀行の男性とか、医者、経営者など。皆、おそろいみたいに港区のタワーマンションとか、六本木ヒルズとかに住んでいましたね。それはホントにうらやましくて。

新婚当時の12年前、元夫とデートで六本木ヒルズに行ったのですが、私より格下の同級生が海外のベビーカー(20万円くらいのブランドもの)を押して、レジデンスに入って行ったんですよ。もう、私は彼女のような生活ができないんだ……と絶望が激しくて、足元から崩れ落ちるような感がしました。その後、彼女の夫の会社が倒産した時は、心の底からザマミロと思いましたよ。今はどうしているんでしょうね」

それでも20代で結婚し、憧れの専業主婦にもなった。でも、全然満たされなかった。

「結婚するまでは、東京都渋谷区に住んでいたのですが、結婚後は“東京都”と住所欄に書けなくなりました。すると、ショップカードひとつ作るにも、店員さんが“ふ〜ん(笑)”ってバカにしているような感じがして、何をしても楽しくなかった。公務員と結婚するというステイタスを得てみると、私が求めていたのは、都会的でスタイリッシュな生活ということに気が付きました。それに、専業主婦はラクだけど月の生活費がたったの10万円では、何もできません。それに、私はそもそも美人なのだから、きっと離婚してからもすぐにいい相手が見つかると確信していたところがあります。2年間の結婚生活の末期のほうは、財産分与のことばかり考えていました。それでも子どもができたのですが、満足な教育を受けさせられないと思って、出産を諦めてしまったのもこの頃。お金がないだけで、いろんなことを諦めなくてはならず、うつっぽくなっていました」

確かに桃子さんはハッキリとした目鼻立ちをしているし、人目を引く容姿をしています。

「だから結婚があきらめきれなかったんですよ。離婚した当時はまだギリギリ20代だったので、仕事も出会いもあると思い込んでいました。だから、合コンや飲み会などの出会いの場に行きやすい品川区のシェアハウスを選んだんです。金銭的な問題もありましたが、私はもともと寂しがりやだから、人がいないと辛いだろうと思って。それに、すぐ結婚できると思い込んでいたので、シェアハウスにしました。それにつけても、まさか10年……こんなに長く住むとは思っていなかったんです。結局、この10年、結婚したい相手の条件が譲れないまま過ごしてしまい、貯金もなく、引っ越すお金もなく……周囲にゴハンを食べる程度の男性はいるのですが、どう頑張っても“お付き合い”にすら進展しません」

新婚家庭は郊外のファミリータイプのマンションだったが、桃子さんの理想からは遠かった。

現在の生活費と仕事の内容について……〜その2〜へ続きます。