現実は小説よりもドラマチック。トム・ハンクスの知らない話

写真拡大

事実は小説よりも奇なり。そんなことが起こるの? ということが現実では起こりえます。

2009年1月15日。

乗客155名を乗せてニューヨーク上空を飛行していた航空機USエアウェイズ1549便。

突然の全エンジン停止によって、墜落の危機を迎えました。機長であったサリーは、ハドソン川への不時着を決断。

水面への着陸は見事成功し、全員の命が助かりました。

これは実際に7年前に起こった実話。

ノンフィクションを映画にするときは、忠実さが大切

まるで小説のような奇跡的な話を映画化したのが『ハドソン川の奇跡』。

9月16日に六本木で行われた記者会見で、主役のトム・ハンクスと、アラン・エッカートが来日しました。

舞台に上がってきたときから、ニコニコとした人懐っこい笑顔が印象的だったトム。会場を包みこむような、人としての大きさを感じました。

トムが演じるのは、飛行機の機長であるサリー。実在する人物を演じることについて聞いてみました。

20160916surry01jpg.jpg

トム「今回僕は、知っていると思っていたのに、ぜんぜん違う事実が隠されいた、ってことにまず驚いた。そして、実際の出来事を題材にするとき、大切なのは、監督や役者といった作り手が事実を装飾しすぎないこと。できるだけ事実に忠実に、スクリーンに映さなくてはいけない。そりゃあ映画のために多少作る部分はあるけれど、真実のDNAが含まれていることはとても大事なことなんだ」

実在する人物や出来事を映画化するときは、事実に忠実に再現することを大切にしているというトム。

もちろん今回もディテールにもこだわったとのこと。実際に、サリー本人や救助に訪れた人などに話を聞いて、当時の報道では知り得なかったところにまで理解を深めていったそうです。

トム、当時の乗客に「荷物は戻ってきた?」

20160916_sully02.jpg

記者会見では、当時USエアウェイズ1549便に乗っていた出口適さんと滝川裕己さんも登場。映画の感想について、口をそろえて

「当時の機内の様子まで、本当に忠実に再現されていた」

と語っていました。

また、トムからの「事件のあと、荷物はちゃんと戻ってきたのか?」という質問に対しては、

「何か月後かに、パソコンとか全部クリーニングされてきれいになって戻ってきました。スーパーの会員券までそっくりそのまま」

とのこと。

まさに知らなかった事実です。

監督・クリントとキャストの絆

20160916_sully03.jpg

監督を務めたのは、クリント・イーストウッド。

彼との仕事について、トムとアーロンに聞いてみると

アーロン「クリントは僕にとってヒーロー的な存在だったから、一緒に仕事できてとてもうれしかったよ。初日は外での撮影だったんだけど、雨が降ってたんだ。でも彼は一度も中に引っ込まないで、ずっと僕たち俳優のそばで指示し続けてくれたんだ」

トム「クリントは偉大な俳優であり監督だね。いつも俳優に期待してくれて、大事にしてくれる人。機嫌がいいときはこうやって僕たちを見てくるんだ」

そう言って目を細めながら、クリントのまねをするトム。いかに俳優たちが、クリントを信頼し、尊敬しているかが伝わってきました。

描かれるのは、"ハドソン川の奇跡"のその後

クリントが『ハドソン川の奇跡』で映し出したのは、事件後の機長サリーの人生。

不時着を無事成功させたサリーでしたが、その究極の決断にあらぬ疑惑を持ちかけられることに。

本当に不時着以外の方法はなかったのか。乗客たちを危険にさらす無謀な判断ではなかったのか。

英雄であるはずのサリーは、事故調査委員会からの厳しい追及に追いつめられていきます。

なによりも目の前で起こる現実ってすごい。そう感じてしまうこの映画。なにげない毎日もドラマチックなのかも、と思わされます。

2016年9月24日(土)公開です。

ハドソン川の奇跡

9月24日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国ロードショー

©2016 Warner Bros.All Rights Reserved

文/グリッティ編集部