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いまどきの私立中学校の学校説明会

2005年06月09日05時58分 / 提供:PJ

pj
丸暗記はだめ」という記事を書いたPJ中村は、小学校5年生の娘を持つ。

 公立学校の荒廃が新聞で取り沙汰される昨今の報道だけでなく、実際に娘を公立学校教育の現場に通わせている保護者として、かねてから疑問を感じてきた私たち夫婦は、再来年の中学受験を検討しているため、ある中高一貫校の学校説明会に行ってきた。

 説明会では、まず学校設立の経緯や歴史、教育方針、そして、カリキュラムや年間行事、部活動、そして、卒業生の大学進学状況についての説明があった。ここまでは、なるほど学校説明会として行なわれるであろう想定の範囲内のことだった。

 しかし、そこからの説明の内容に驚いた。説明会の半分以上は、教頭が入試問題の出題の意図について説明したのである。説明を聞くうちに、この学校は、文部科学省の掲げる「ゆとり教育」の学力低下という弊害を指摘しつつも、その目標である「学ぶ意欲」「考える力」には共感している、と私は感じた。

 この学校の入学試験では、答えにいたるまでの経緯を重視する採点方法をとっているという。文章問題から式を組み立て、それを計算する。もし、計算で間違っていても、式を組み立てて、計算をするという考えの道筋ができていれば、8点満点中の5点を与えるというのだ。

 たとえば、ときには範囲を越えた難しい問題を出すこともあるが、それは受験生をふるい落とすためのものではなく、見たこともない問題に接したときに、あきらめないで、どうやったら自分の持っている知識や論理構成力で正解にたどりつこうかとする意欲をみるための試験として意図されたものなのだ。その工夫が途中点や部分点を認めることで、実現されているということなのだろう。

 教頭は、過去出題問題集を買ってくださいと言って、会場の笑いを誘っていた。これは売り上げ増進で学校経営を潤すためと思うものもいるかもしれないが、私には小学校で勉強をしているこどもたちに「どういう勉強をすべきか」という明確なメッセージを送りたいからではないかと思えた。

 ともすれば、受験のテクニックを指導しているように思えるかもしれないこの説明会だったが、文部省が「学ぶ意欲」「考える力」を目標にすえるのなら、教室に介入するばかりでなく、受験改革も必要であることを私は痛切に感じた。

 受験教育を否定するばかりではなく、いかにそのシステムを活かして行けるのか。それもまた、現場に与えられた課題であるのかもしれない。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 中村厚一郎(スポンタ)

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