次は豊臣秀吉役! 『ソロリ』出演の経緯



――11月に舞台『戦国御伽絵巻「ソロリ」〜妖刀村正の巻〜』に出演されますね。

はい。今回の演出を手がけている大岩美智子さんと、過去にご一緒させたいただいたことがあるんですけど、それがキッカケで声をかけていただきました。

――大岩さんといえば、厳しいけど情熱的で愛情深い演出家さんだそうですね。今回の『ソロリ』も、妥協することなく取り組めるキャストやスタッフだけを集めたと聞いています。役者力が高く、人間力も高い人たちのカンパニーだと。

そう言われるとくすぐったいけど……うれしいです。プロデューサーの方が『AZUMI』の舞台を見に来てくださって、終演後に僕と一緒に仕事をしたいと、大岩さんと話していると言ってくださったんです。僕にとって何よりもうれしい言葉でした。

――町田さんが演じるのは、若かりし頃の豊臣秀吉。劇中の秀吉は剣術や武術はまったく自信がないけど、しゃべりが立つというキャラクターです。

おしゃべりというところは、僕と真逆ですね…(笑)。でも、普段の自分と違う人物を演じることこそ、この仕事で自分が魅力を感じているところなので、単純に楽しそうだなと思いました。……なんか小学生みたいな感想ですみません(笑)。

――(笑)。そして、持ち前の頭の良さとホラで天下人を目指していくという。

彼のなかでは、人を傷つけるウソはダメだけど、人を幸せにするホラならついてもいいというポリシーがあるんですよ。



――シリアスなシーンが多いなか、町田さんが演じる秀吉は、セリフや表情で笑いのエッセンスを入れて客席を和ませる役どころだと感じたのですが、いかがですか?

どちらかと言うと自分自身、和みキャラだと思うので……そこは似ているのかなと(笑)。

――そういったお芝居は得意だったり?

コミカルな役だからって、どういうふうにしたら笑いが取れるかな、とかはあまり考えないんですよ。ただ、そのキャラクターとして生きるだけ。たとえば秀吉は、必死に歯を食いしばって、激動の戦乱を生き抜いていくんですけど、彼は別に人を笑わせるつもりはなくて。誰が何と言おうと自分の意志を貫き、一生懸命やってるその姿がコミカルに見えたりするキャラクターなんだと思います。

――『ハロー,イエスタデイ』で町田さんが演じた役も、本人はいたってマジメで一生懸命なんだけど、傍から見るとその姿がなんか面白いキャラクターだったと思うんですが。

笑われている……複雑な気持ち(笑)。僕、そう見えているんですかね?(笑)

――もちろん、いい意味ですよ! 一生懸命な姿がとっても可愛らしくて…。町田さんには笑いのセンスがあると見込まれての秀吉役なんでしょうね。今回のストーリーは、完全オリジナル脚本ということもあって、それぞれの役者さんが持っている資質に合わせてキャラクターを設定して、台本を書いていったと聞きました。

ありがたいお言葉ですが、プレッシャーしかない…(笑)。秀吉という人間を精一杯演じていきたいと思っています。



初共演の中村誠治郎くんとは同じ学年なのに…



――実際、役作りはどのようにしているんですか?

どの作品もそうなんですが、セリフを覚えるというよりは、“この人はなぜこういうことを言うんだろう”とか、“今までどういう人生を歩んできたんだろう”とか、バックボーンを考えてその役のキャラクターをしっかり理解するようにしています。

――なるほど。

そうすると、次にどういう行動をするのか、どういうセリフを言うのかがわかってくるんです。……だから、僕としてはキャラクターを把握するまでが、いちばん時間がかかる作業ですね。

――町田さんは、きっと役を自分に降ろしてくる憑依型なんですね。

自分が舞台を見に行ったときにいちばん心が揺さぶられるのは、感情でセリフを言っている、本当にその役の人物としてそこに立っている姿なんですよね。なんでもないセリフでも、自然に涙が流れてきます。うまく説明するのが難しいんですけど、テクニックだけに頼らない、感情に寄り添った表現って言うんでしょうか……。そのほうが、僕にとっては響くものがあるし、僕自身もそういう表現者になりたいと思っています。

――秀吉はソロリの高丸と行動を共にしますが、高丸を演じるのは中村誠治郎さんです。町田さんは1981年3月生まれの35歳で、中村さんが1980年4月生まれの36歳だから、1歳違いなんですね。

まるまる1年違うんですけど、学年は一緒です。今回が初共演なんですけど、顔合わせのときに「同じ学年だね!」ってなりました(笑)。

――じゃあ、いきなり意気投合?

最初、「今度、ご一緒させていただきます」ってあいさつをした後、「あ、同じ年だね」ってなったので、「じゃあ、これからはタメ口で話そうね」って僕が言ったんですね。それで、そのときは「じゃあね」って別れたんですけど、次会ったら中村くんが敬語に戻っていて……。悲しい記憶です(笑)。



――(笑)。ビジュアル撮影はいかがでしたか?

現場には大岩さんも来てくださって、役柄の説明を細かくしてくれたので撮影に入り込みやすかったです。とても楽しく撮影することができました。

――ビジュアル撮影に、演出家の方っていらっしゃるものなんですか?

来てくださる方はいますけど、大岩さんのように最初から最後までずっといらっしゃる方は珍しいと思います。…だからこそ、みんなで一緒に作っていこうという熱量を感じました。

――撮影中、印象に残っている出来事はありましたか?

おにぎりを食べているシーンを撮影したんですけど、実際に食べる必要はなかったのに、本気でむしゃむしゃ食べちゃいました(笑)。

――お腹が空いていたとか?(笑)

いや、食べたほうがいいのかなと思って…。予想外だったのか、スタッフさんが慌ててました。

――ビジュアル撮影の段階で、秀吉になりきっていたんですよね。表情も抜群に豊かで素晴らしかったと、制作の方から聞きましたよ。

そんな……。ありがとうございます。頑張ります。

――では、舞台を楽しみに待っているファンの方へメッセージをお願いします!

今、2.5次元舞台が演劇界では盛り上がっていますが、あえてオリジナルの脚本で勝負しよう!という熱い思いを持って始まった企画です。作品に情熱と魂をかける人たちが集まった作品なので、絶対に熱いものになると確信しています。僕たちがイチから作り上げた作品を、ぜひみなさんに見ていただきたいです!



僕を癒してくれるのは実家の猫“チビ”



――毎日忙しい日々を送られていると思うんですが、オフの日は何をして過ごすことが多いですか?

最近は中古家具屋さんに行くのが好きです。

――何か探している家具があるとか?

いえ、ただ見てまわるのが好きなんです。「ほー、安いな」って言いながら見る感じで(笑)。

――家具屋巡りを始めたキッカケは、何だったんですか?

心機一転頑張ろう!と思ったときに、引っ越しをしたんですね。そのときに、無駄なものはなくして仕事のことだけを考えよう、ストイックに生きようと思い、ベッドだけ新しく買って、ほかのものは一切ない生活を始めたんです。

――スゴい!

…でも、部屋に入ったら携帯の電波もないことに気づいて(笑)。

――えーっ!?

まぁそれは、Wi-Fiをつなぐことで解決したんですけど…(笑)。でも、ベッドだけの生活は不便だったので、中古家具屋さんに行ったんです。そしたらテーブルと椅子のセットが6000円というのを見つけて買って。

――机と椅子はデザインが気に入って買ったんですか?

いえ、ただ安いなと思って(笑)。

――どんなデザインなんですか?

新しくスタートを切るという意味で、白いベッドを買ったのでテーブルも白いものを置きたいと思って探してたら、白いペンキで塗ってある机と椅子2脚とベンチのセットを見つけたんです。これで6000円って!

――すごくいい買い物でしたね! そのあともお店を覗いては…?

冷蔵庫も中古屋さんで買いました。洗濯機はまだ買ってないので、コインランドリーに通っています。



――では、町田さんにとって“癒やしの時間”はありますか? 

夜中ひとりでドライブとか。音楽もラジオかけずに無音で、行き先も決めずに走っています。……不審者ですかね?(笑)

――いえいえ、そんなことは…(笑)。考えごとをするために、あえて無音なんですか?

何も考えてないんですけど…(笑)。あと、実家の猫に会いに行くこと、ですね。

――猫のお名前は?

“チビ”です。男の子。野良猫だったんです。拾ったときは小さかったのでチビと名付けたんですけど、今はけっこうデカくなっちゃいました(笑)。

――町田さんが拾ったんですか?

ある日、仕事帰りに家まで歩いていたら、「ニャー」って聞こえて来たので声がするほうを見たら、塀の上に子猫がいたんです。それで「どうしたの?」って聞いたら、また「ニャー」って鳴くから「あ、降りられないのか」って塀から降ろしてあげて、「じゃあね」って帰ろうとしたら、チョコチョコ僕に着いて来て、「ん? 入るの?」って玄関を開けたら「ニャー」って入って来て、そのままうちの子になりました(笑)。

――すっかりなついちゃったんですね。

家と外を行き来できるように、猫用の出入り口を作ったんですけど、出て行っても必ず帰って来るんです。で、僕の足音がわかるみたいで、帰って来ると道端まで「ニャー」って迎えに来てくれて、僕の目の前でゴロンと転がるんです。

――可愛いですね〜!!

可愛いです(笑)。チビは僕の癒やしですね。



【プロフィール】
町田慎吾(まちだ・しんご)/1981年3月25日、東京都生まれ。A型。1994年から芸能活動スタート。2015年3月事務所を退所後、同年9月より舞台『AZUMI 幕末編』で役者復帰。以後、空想組曲Vol.12『小さなお茶会。』、つかこうへい七回忌特別公演『引退屋リリー』、演劇集団イヌッコロShowcase vol.4『トラベルモード』、『ハロー,イエスタデイ 再演』など舞台を中心に活動。自身のアクセサリーブランド『CindyLOL』のデザイナーとしても活躍中。また、ライター、ダンサー、タレントなど幅広い肩書きを持つ。11月2日から公演される舞台『戦国御伽絵巻 「ソロリ」〜妖刀村正の巻〜』に豊臣秀吉役で出演後は、12月14日より博品館劇場にてMIRACLE FANTASY SHOW ACT『Silver Star,Silver Moon,Silver Snow』への出演が決まっている。
【公式HP】http://shingo-machida.com/
【Twitter】@Cindy_0325_LOL


■舞台『戦国御伽絵巻 「ソロリ」〜妖刀村正の巻〜』
http://sororiemaki.com/


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★★町田慎吾さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント★★

今回インタビューさせていただいた、町田さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:9月23日(金)12:00〜9月29日(木)12:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/2016年9月30日(金)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月30日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき10月4日(火)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

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