連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第24週「常子、小さな幸せを大事にする」第142回 9月15日(木)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓


ひとを完膚なきまでに叩きのめす方法が提示された142回。

あなたの暮し出版たちの糾弾に赤羽根(古田新太)は、
「欲しいものを安く買いたいと願うのは当たり前のことだろう」「安くて何が悪い」「あとは買った人間の責任だろう」等々(洒落ではありません)・・・まくしたてる。

だが、花山(唐沢寿明)は毅然と消費者の安全という視点がないと指摘。
ふたりが力と力でぶつかるところへ、常子(高畑充希)が「お金を得て豊になりたいとわたしも思います」と赤羽根に理解を見せたところで、「でもそのためにささやかな幸せを犠牲にしたくないだけなんです」と続ける。
さらに、主婦のアンケートに書いてあった「家に冷蔵庫がきて喜ぶ子ども」を例に出し「その冷蔵庫が不良品で壊れたとしたら、そのせいで、ささやかな幸せが奪われてしまうんです」と情に訴える。

常子の優しさ攻撃に、さすがの赤羽根も一瞬ひるんだところへ、花山がすかさず決定打を放つ。
じゃーん! アカバネの洗濯機は鉄ネジをメッキで真鍮に偽装していたのだ。
赤羽根はその事実を知らず、技術系社員の村山(野間口徹)が予算通りにおさめるためにこっそりやっていたことだった。

悪いことしたら必ずバレますという教訓かもしれないが、こんなにみんなの前で明らかにされてしまうなんて・・・。しかも、赤羽根は知らなかったことで。恥かいちゃった赤羽根、お気の毒。

ここは赤羽根も知っていてやったことにしたほうが悪感出るのに、どうにも割り切れない感じを出すのは、ときどき「相棒」などのミステリーでやってる悪がほんとうに悪なのか? というもやもやエンドを取り入れてみた?

国実(石丸幹二)は「何とか戦後を終わらせようと奮闘する人達にあなたの暮らしが水を差したように思ってたんだ」と言い「あなたたちの信念も少しは理解できる気がします」と常子たちに理解を示す。
というのは、みんなが戦争を忘れようとしているのに、いつまでも、花山が戦争責任を引きずっていることへの疑問なのだろうか。戦争に関することはかくも難しい。

後日、新聞に商品試験の記事が掲載され、見出しに「あなたの暮しは丁寧な実験を積み重ねていた」と書いてあったのが印象的。やっぱり「丁寧」が大事ですね。

ようやくホッとできた常子だったが、また別れが訪れようとしていた。
森田屋夫妻が大昭(上杉柊平)に店を譲り、娘夫婦のところへ戻ると言い出す。
いいタイミングで森田屋にやってきた美子(杉咲花)。
「きょうはもうそろそろお客さんもこないんじゃないかしら」
照代(平岩紙)。は大昭を美子と一緒に帰そうと気を遣う。
いや、いつもお客さん、いないじゃん! とテレビの前のひとたちがいっせいにツッコんだであろうシーンの視聴率は◯%!って、「王様のブランチ」みたいなことを「あさイチ」でやってほしい。

なんとなくもやもやしているが、
宇多田ヒカルの主題歌「花束を君に」の2番以降の歌詞を読んで少々なっとく。

「言いたいこと言いたいこと きっと山ほどあるけど (以下略)」

誰もがこの歌のように今日も懸命に生きていく。
(木俣冬)