それでも「マタニティマーク」が必要な理由は? 認識の実態から見えた事

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妊婦さんが身に着ける「マタニティマーク」。

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2006年に誕生してから、すでに10年が経っているこのマークですが、今、認知度はどれくらいになっているのでしょうか。

また、最近では「マタニティマークをつけると危険」だという話が話題になりましたが、実際に身の危険を感じた妊婦さんはどれくらいいるのでしょうか。

econteの発表した「マタニティマークは危険」は本当?マタニティマークに関する意識調査」から、ご紹介していきましょう。

マタニティマークって、意外と知られていない!?

2016年に発表されたマタニティマークの目的はこのようなものでした。

マタニティマークとは、妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもの。

さらに、交通機関、職場、飲食店、その他の公共機関等が、その取組や呼びかけ文を付してポスターなどとして掲示し、妊産婦にやさしい環境づくりを推進するもの。(厚生労働省)

厚生労働省 マタニティマークについて

このように、妊産婦さんにやさしい環境づくりをするために作られたのがマタニティマークです。

妊産婦以外の一般に対しての「マタニティマークに関する認知状況」への質問では、「ある程度内容を知っている」と答えた男性は42.0%、女性は62.3%という結果でした。

また、「初めてマークを見る」と回答した人は、男性は35.7%、女性は20.3%という結果で、その内訳では子供のいない人が男女合わせて72.6%を占めていました。

一方、妊産婦は、94.5%が「ある程度内容を知っている」と回答しており、マタニティマークを知っていることは当たり前のようです。 

マタニティマークを身につけている人に気がついた時にどのように感じますか?

「サポートをしてあげたい」は67.6%、「なにも感じない」は29.6%、「不快に感じる」は2.8%でした。

マタニティマークの意味を知っている人は、そのマークに気がついた時70%近くが「サポートしてあげたい」と回答している一方、約3%は「不快に感じる」と回答しています。

それでは、どうして不快に感じるのでしょうか。こんな意見があげられていました。

「妊娠が本当かどうかは不明だから(妊娠していると装って席を譲ってもらおうと企んでいるとも限らないから)」(男性/38歳)
「妊娠して幸せなの!とアピールしているように感じる。その上席を座らせろ、優先させろと上から目線で言っているような感じがする」(女性/31歳)
「妊婦なら家にいろと思う」(女性/36歳)
「配慮を強要されているような気になってしまう」(女性/50歳)

この調査では、マタニティマークをつけている人が近くにいると「譲らなければ、配慮しなければ」という思いになってしまうことが「不快」と感じる理由であったり、「妊婦なら家にいろと思う」という強めの意見もあったようです。

反対に、マタニティマークをつけていることで周囲のやさしさやサポート感じたことがあると回答した妊婦さんは70.9%となり、上の「サポートしてあげたい」という数値とほぼ一致しているため、「マタニティマークを見てサポートしてあげたいと感じた人は、実際にサポートをしている」ことが推測されます。

内容としては、電車等で席を譲ってもらった、重い荷物を持ってもらった、「頑張ってね」という声掛け、などがあがっていました。

マタニティマークをつけている時に身の危険を感じたことがある?

それでは、実際に妊婦さんたちは「マタニティマーク」をつけていて、身の危険を感じたことはあるのでしょうか。

まずは、妊産婦と妊産婦以外の一般の双方に、「マタニティマークを身につけることで妊婦が不快な思いや身の危険を感じることがある」という話を聞いたことがあるか、質問されています。

妊産婦の63.5%が「ある」と答えた反面、妊産婦以外の一般は41.7%という結果になっています。

昨今、多くのメディアなどでも取り上げられることが多いため「マタニティマークを身に着けていることで危険なことがある」という話については、半分以上の妊産婦さんが、一般の人は40%ほどが「知っている」と回答していました。


そして、実際に「マタニティマークを身につけていることで不快な思いや身の危険を感じたことがあるか」という質問に「ある」と答えた人は9.7%となっています。

10人に1人は実際に不快な思いや身の危険を感じた経験があるということがわかりました。反面90%の妊婦さんは「身の危険や不快な思いをしたことがない」と回答しています。

具体的にはこのような意見があげられていました。

「優先席前で『本当に妊婦なのかよ?』と、舌打ちされたことがある」(女性/32歳)

「歩くのが遅くて舌打ちされた」(女性/32歳)

「妊娠がなんだ。席を代われって事?と突然言われた」(女性/34歳)

「お腹を叩かれた」(女性/30歳)

「酔っぱらいの年配のおじいさんが、『偉そうにマークなんかつけやがって調子に乗ってんじゃねーぞ!!』といちゃもんをつけてきて、お腹を殴られそうになった」(女性/29歳)

心ない人に舌打ちをされたり、怒鳴られたり、お腹を叩かれそうになったりした経験をした妊婦さんもいたようです。

そのためか、約6割は妊娠中にマタニティマークを身につけた」という回答に対し、約4割は「身につけなかった」と回答しています。環境によって身につける必要なかったという方もいるかと思いますが、躊躇する妊婦さんもまだまだいるのかもしれません。

マタニティマークと世間の認識のズレ

妊産婦以外の一般の方々に対し、マタニティ―マークについてどのような認識を持っているのかを聞いたリサーチでは、最も多かったのが「交通機関などで周囲にサポートしてもらうためのもの」で約半数の47.5%。

続いて「妊娠していることを周囲にアピールするもの」(38.4%)、「緊急時に周囲に妊娠中だと知らせるためのもの」(13.9%)となりました。

一方、妊産婦が身につけている理由を聞いてみると、最も多かったのは「緊急時に周囲に妊娠中だと知らせるためのもの」が半数以上の56.8%。

続いて「交通機関などで周囲にサポートしてもらうためのもの」(23.8%)、「妊娠していることをアピールするもの」(17.2%)となりました。

まとめ

このリサーチから、妊産婦は、主に外出した際の緊急時に自身が妊娠中と気付いてもらう必要を感じてマタニティマークを身につけているのに対し、妊産婦以外の一般では、交通機関などで席を譲ってもらうため、妊娠していることを周囲にアピールするためと認識している傾向が見えてきました。

妊娠中は家の中ではもちろん、外出中も、ふらつきや立ちくらみが起こりやすかったり、体の変化とともに転びやすくなったり、腹痛、出血や破水などが起こる可能性もあります。

そんなもしもの時に「妊婦である」ということがわかれば、医療機関などで母子手帳をすぐに確認し、緊急連絡先やかかりつけの医療機関、定期健診の記録や検査結果などの重要な情報を確認することができます。

また、どの病院に搬送するかについては、症状だけではなく、妊娠週数に応じて判断されるため、適切に対応してもらうためにも「妊婦である」と知らせることは大切なことなのです。

決して「席を譲ってほしいから」という理由だけでつけているわけではないこと、また、体調の変化を迎えている妊婦さんに周囲がさりげなく気づかいできるよう、マタニティマークが正しく理解され、受け入れられることが必要です。

マタニティマークをつけると危険という話ばかりが先行してしまっていますが、とはいえ、9割の妊婦さんは、マタニティマークで危険や不快な思いをしたことがないと回答しています。

今後も、マタニティマークへの理解や浸透をはかるだけでなく、困っている人、大変な人を見かけたら、サポートするという当たり前のことができる世の中になっていってほしいものですね。

参照:マタニティマークに関する意識調査[econte]