専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第71回

 アマチュアゴルファーが最もうまくなる年齢、すなわち実力のピークは何歳ぐらいか?

 あっさり答えから言います。ゴルフ雑誌のアンケートなどのデータを基に集計すると、ズバリ50代だそうです。

 もちろん、これは統計上の数字ですから、個人差はあります。「20代でオレのゴルフ人生は燃え尽きた」という方がおられても、不思議ではありません。

 一般的な話をしますと、20〜30代でゴルフを覚えて、40代に向けて精進していきます。40代になってからは、体力的なピークはすぎてしまいますが、ボールをコントロールする技術が磨かれます。

 そして、50代になると、さらに体力は衰えていきます。しかし、最近のギアやボールは、それをカバーするほど進化していて、よく飛びます。ゆえに、"心・技・体"すべて備わってくるのが、50代というわけです。

 個人的な話で言うと、そうですねぇ、平均80台のスコアを連発していた50歳と51歳あたりが、自分のゴルフ人生のピークだったでしょうか。40代ではクラブ競技にいそしんでいましたが、腕前は発展途上でした。"瞬間最大風速"的にハンデ12になりましたが、平均スコアなら、今のほうが上だと思います。

 たまに、南総カントリークラブ(千葉県)や鶴舞カントリー倶楽部(千葉県)といった、かつてメンバーだったコースに遊びに行きますが、今ラウンドしたほうがいいスコアが出ますしね。当時は、妙なプレッシャーがあったのでしょう。今のほうが、力みも、しがらみもないので、のびのびプレーできるというのが、好成績につながっていると思います。

「50代ピーク説」を裏づける要素としては、現在の"ゴルフ黄金世代"が50代と60代、このふたつの世代でゴルフ人口の7割以上を占めている、ということもあります。それで、すべてにおいて衰え始める60代と比べたら、50代のほうが上手、ということになるわけです。

 そもそも40代より下のプレーヤーは少なく、まだまだうまくありません。今後を期待する世代と言えますね。

 では次に、会員制の倶楽部ライフにおける、年齢を考察したいと思います。

 古くからある名門クラブのメンバーの平均年齢をご存知でしょうか? だいたい60歳をちょっと超えたぐらいです。

「え〜、そんなに年齢が高いの?」と思われるでしょうが、そうなんです。古い名門クラブは、人生がんばったご褒美で入会するわけですから、それぐらいの年齢になります。

 ちなみに、知り合いの有名漫画家の先生が、日本一会員権が高いと評判の名門コースに入会しましたが、入会時の年齢は67歳。「う〜ん、死ぬまでに100回行くかなぁ。買った金額を100で割ると、1回あたりのプレー代がすごく(高く)なるぅ〜」と、ぼやいておりました。そんな、イチロー選手の3000本安打を生涯年収で割ると、1本500万円台みたいな計算はしないでほしいものですが......。

 まあ、名門クラブは名誉で入るのですから、人生のあがりにどうぞ。

 その名門クラブ、昔は強豪で、かつて名を馳せた、なつかしのオールドメンバーが結構いますが、最近はその顔ぶれにちょっと異変が起きています。

 というのは、60歳過ぎのメンバーでは、クラブ対抗競技などに出ても、なかなか勝てないからです。そこで、入会審査を緩和し、他クラブで活躍している方をスカウトしたり、あるいはゴルフ部出身者のご子息を探したりして、強化を図っているのです。

 ですから最近は、往年の名門クラブがやたら若いゴルフ部上がりのメンバーを大会に出場させて、クラブ対抗競技などで活躍――そんな状況になっています。まさに日本のオリンピックの強化策みたいなことを、名門クラブがやりだした、というわけです。

 一方、一般的なゴルフ倶楽部のメンバー競技、月例杯や理事長杯などは、どんな仕組みになっているのでしょうか。

 基本的に競技はバックティーからやりますから、歳をとるとしんどいです。ただ、救いの手はいくらでも差し伸べられています。まず年齢で言うと、55〜60歳でシニアの仲間入りになれます。そうすると、ティーショットを打つのが、レギュラーティーかブルーティーになって、いくらか短い距離でプレーできます。

 他、「平日杯」や「祝日杯」みたいな競技は、最初からレギュラーティーを使うケースが多く、飛距離に自信のない方は、そちらに回る作戦もあります。さらに、倶楽部によりますが、70〜75歳以上はグランドシニアとなって、より距離の短いゴールドティーで打つこともできます。

 ゴルフは、ティーで飛距離を補い、ハンデキャップでスコアの差をカバーできるゲームです。そう考えると、スコアはともかく、自分の気が張って充実していれば、そのときが"ピーク"と言っても差し支えないと思います。

 アマチュアが対象とはいえ、全盛期が50代のスポーツって、ゴルフぐらいではないでしょうか。また、シニア競技は陸上や体操、サッカーなどにもありますが、プロでしっかりお金を稼げるのは、世界的にもゴルフが断トツでしょう。

 今の若者でゴルフをやっている方は幸せです。だって、「黄金の50代」までたっぷりと楽しめるわけですから。その頃は、ゴルフ人口も減り、プレーフィーも安くなって、混み合うこともないでしょう。ゆっくりとゴルフをお楽しみください。

 ただし、ゆったりしすぎて、周りでゴルフをやっている人間が誰もいなくなった、という状態だけでは勘弁願いたいですけど。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa