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かぜのような症状が特徴の「RSウイルス感染症」。2016年は例年より早く流行期に突入し、患者が増加しています。実はこの感染症、2歳までには、ほぼ100%の子どもが感染していると言われていますが、年齢や症状によっては、入院が必要なこともあります。

その理由や、感染予防として大人が気をつけることについて、広島市立広島市民病院の小児科医、竹中美恵子先生に聞きました。

Q.「RSウイルス感染症」はどのような特徴を持った病気なのでしょうか?

ウイルスの名前となっている「RS」は「呼吸器の」という意味。まさに、呼吸器に激しい症状の出る病気です。「ケンケン」という犬がほえるようなせきをしたり、鼻水が数日間続いたり、発熱したりと、症状はかぜと似ています。

Q.かぜと違うのはどのような点ですか?

かぜのような症状が数日間続き、呼吸器が弱っていくと、気管支炎や肺炎などの重い病気につながりやすいというのが特徴です。実はインフルエンザよりも、死亡率の高い病気と言われています。呼吸が浅くなりゼエゼエする、たんがつまる、眠れない、食べられないなどの症状が見られた場合、注意しましょう。

また特効薬がないので、治療としては、解熱剤で熱を下げたり、冷やしてあげたりすることしかできません。さらに生後6カ月未満のお子さんには、こうした対症療法も行うことができないので、やっかいです。

Q.入院が必要なケースも多いと聞きます。

特に生後3カ月未満のお子さんは、気道が未発達なため、すぐに症状が悪化してしまいます。また免疫力も低いので合併症を引き起こしやすく、容体が重篤化しやすいのです。ですから、何かあった時にすぐ対応ができるよう、入院が必要となる場合もあります。

RSウイルス感染症は既に流行期に入っていますので、かぜのような症状が出た場合には、速やかに受診してください。感染しているかどうかは、迅速検査ですぐに分かります。

Q.特に乳児の感染予防として、できることはありますか?

うがいやマスクの着用などは難しいと思いますので、とにかく人ごみに連れて行かないこと。それから、かぜっぽい症状の人には近づかせないことです。大人もRSウイルスにかかることはあるのですが、症状が軽いので「軽いかぜかな? 」と見過ごしてしまうことが多く、気づいたら子どもに移っているということもあります。周囲の人たちが、手洗いやうがいを徹底することで、赤ちゃんへの感染を防いであげましょう。

※写真と本文は関係ありません

○竹中美恵子先生

小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
アナウンサーになりたいと将来の夢を描いていた矢先に、小児科医であった最愛の祖父を亡くし、医師を志す。2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。以後、広島市立広島市民病院小児科などで勤務し、現在に至る。1児の母でもある。
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
メディア出演多数。2014年日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加する「En女医会」に所属。ボランティア活動を通じて、女性として医師としての社会貢献を行っている