9月も半ばを過ぎ、二十四節気・白露(はくろ)も末候「玄鳥去(つばめさる)」を迎えました。今年は9月17日〜21日までにあたります。明けて22日はいよいよ秋分の日となり、秋たけなわとなります。暑さ寒さも彼岸まで…の言葉通り、つばめたちは日本が寒くなる前に南へ旅立ち、代わりに雁や鴨などがやって来ます。また、この期間に秋彼岸に入ります。変わりやすいと言われる秋の空と自然に目を向けてみましょう。

秋の野を飛翔するツバメ


秋は「空模様」に注目です

秋は空にまつわる言葉が多く、空の日(9月20日)が制定されています。「天高く馬肥ゆる秋」や「女心と秋の空」はよく聞きますね。「女心と…」は変わりやすいもののたとえとしてよく知られるところですが、実は原型は「男心と秋の空」で、室町時代に狂言『墨塗』のセリフに使われたことに由来します。それがいつから「女心と…」になったのかと言うと、大正時代になってからで、まだ歴史は浅いのですね。どちらにしても、人の心と空模様はあまり変わらないほうが嬉しいような…。

様々な形の秋の雲

様々な形の秋の雲


花も実も、いろいろ楽しい季節です

秋の季語に「秋の野」という言葉があります。秋は実りの季節…稲、果物などの実だけでなく、花も秋らしく一色(ひといろ)濃く、風情を漂わせて咲いてくれます。この季節こそ、少し街から離れて山や里の自然に触れたいものです。9月から10月は秋の七草(萩、ススキ、桔梗、撫子、オミナエシ、葛、藤袴)をはじめ、吾亦紅(われもこう)、蕎麦の花、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)などの花が次から次へと野を彩り、私たちの目を楽しませてくれます。

曼珠沙華=彼岸花

曼珠沙華=彼岸花


17日は満月、19日は彼岸の入り…

15日は中秋の名月でしたが、明日17日は満月です。名月を十五夜と呼ぶことから、9月の満月と一緒だと勘違いしそうになりますが、名月と満月が同じ日になるのは数年おきです。台風の心配がありますが、晴れ間を見つけたらぜひ空を見上げてみてください。そして19日は「後の彼岸」に入ります。春の彼岸に対し秋の彼岸は、秋彼岸・後の彼岸と言い分けます。奇しくも9月19日は正岡子規の忌日です。季節の花である鶏頭と子規は切り離せません。
『鶏頭の十四五本もありぬべし』 子規
毎年、鶏頭の季節になると子規のこの句が浮かびます。子規が見た鶏頭の色は何色だったのだろう、本当に14,5本咲いていたのだろうか…などととりとめのないことを思いつつ…。

秋風にゆれる野鶏頭(のげいとう)

秋風にゆれる野鶏頭(のげいとう)

参考文献
俳句歳時記「秋」 角川学芸出版
箱根湿性花園 ホームページ