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●免疫力を低下させないようにすることが予防には重要
口角に亀裂が入って痛みが出たり、口角が切れてかさぶたになったりといった症状が出る口角炎。放置しておいても大半は自然治癒するが、口元の傷は積極的なコミュニケーションを取るうえで"障害"になりかねない。

そこで本稿では、南青山皮膚科 スキンナビクリニックの院長である服部英子医師の解説をもとに、口角炎の予防術や治療法についてまとめた。

○今日からできる口角炎の予防法

口角炎は、皮膚の常在菌の一種であるカンジダという真菌(カビ)が何らかの理由で増殖してしまったことが原因で発症する事例が多い。そのため、カンジダを増やさないような生活習慣を持つことが予防につながる。その一例をまとめたので参考にしてほしい。

口周りに過度の水分を与えない

カンジダは高温多湿な環境で繁殖しやすい。そのため、何度も唇をなめたり、リップクリームを頻繁に塗ったりといった行動は、カンジダにとっての格好の生息地作りのサポートにつながりかねない。口角炎になると口角の亀裂やかさぶたが気になり、舌でなめて潤したい気持ちも出てくるかもしれないが、NGだと覚えておこう。

バランスよい食事を摂取する

特にビタミンB2、B6が不足すると口角炎になりやすいとされている。たんぱく質や炭水化物に脂質、さらにはビタミンやミネラルといった必須栄養素を毎日の3食からしっかりと摂取することも立派な予防だ。

ストレスをなるべくためないようにする

カンジダは免疫力が低下すると繁殖するが、過度のストレスは免疫力の低下を招く。そのため、休日にスポーツをしたり趣味に没頭したりするなどで気分転換を図り、「メンタル面のデトックス」を心がけるようにしよう。

しっかりと睡眠をとり、体を休める

体力が低下していれば、当然免疫力も下がる。そのため、毎日の睡眠でしっかりと体を休めることができるように、質のよい睡眠がとれるように個々人で工夫するのも予防の一助となる。

●市販のクリームでも治療は可能だが……
だが、きちんと予防をしていても仕事が多忙な時期など、どうしても口角炎発病のリスクが高まってしまうときはある。そんな場合に備え、口角炎の治療法も知っておこう。

服部医師は、「抗真菌剤が含まれる軟こうの使用」と「ビタミン剤の服用」が口角炎の基本治療法と話す。

「炎症を鎮める抗アレルギー薬を飲む場合もありますけれど、基本はビタミン剤の内服と抗真菌剤の外用で、この2つを併用するという形が多いと思います。私たちのクリニックでは、ビタミン剤はビタミンB2とB6を出すことが多いですかね。通常ならば早ければ3日、遅くても7日ぐらいで症状は治まります」。

ただし、口角以外にも口唇の全体に皮むけや赤みを伴っている場合もある。そのときは口唇炎として、非ステロイドあるいはステロイド外用剤で治療することもある。個々の症状や経過に応じて対処していく必要があるとのこと。

○心身の不調の"サイン"が口角炎と考える

また、これらの医療機関から処方される薬ではなく、メンタームやモアリップなどのリップスティックやクリームといった市販薬を使用しても問題はない。

「カンジダは常在菌ですから、普通の健常な人であればある程度の症状まで悪化しなければ、治療をしなくても治っていくとは思います。市販されている製品で症状が治まればいいですが、1週間しても治りが悪いなどの場合であれば、医師に相談してもらいたいですね」。

口角炎は栄養の偏りや睡眠不足、ストレスなどが原因でなる可能性が高い。そのため、自身の心身が変調をきたしている"サイン"が口角炎となって現れているとも受け取れる。

もしも口角炎を発病したら、「たいした痛みじゃないし、すぐに治るからいいだろう」と考えるのではなく、発症した原因を突き止めて自分のライフスタイルを見直してみるといいだろう。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 服部英子(はっとり ひでこ)

東京女子医科大学卒業。皮膚科専門医。日本皮膚科学会、日本レーザー学会、日本臨床皮膚科学会、日本アレルギー学会に所属。大学卒業後に東京女子医科大学病院やJR東京総合病院の皮膚科に勤務した後、2005年より南青山皮膚科 スキンナビクリニックの院長を務める。

(栗田智久)