【心理士が語る】なぜビリギャルは偏差値を40も上げることができたのか?

写真拡大

親であれば、「うちの子もビリギャルのように急に成績が上がるようにならないかしら」と期待するのは当たり前です。通常は、「勉強嫌いだから」とか「そもそもやる気がないから」などと理由をつけて、「無理」だとあきらめてしまうのかもしれません。しかし、これを夢だと諦めるのは、まだ早いですよ!
やる気を引き出すオペラント条件づけ
­­

水族館でも動物ショーでも動物はいろいろな芸をして私たちを楽しませてくれます。なぜ動物たちは多彩な芸をするのか?これは、皆さんもご存知のパブロフの犬の応用です。パブロフはベルの音で犬の唾液の分泌をコントロールしました。

­

水族館でも動物ショーでも動物が芸をすると、ご褒美に餌を与えて動物をコントロールします。芸をすると餌がもらえるということを学習した結果です。この餌はご褒美で、餌のことを「賞」と言いますが、「賞」の存在が芸をすることへのやる気を高めるのです。この理論をオペラント条件づけといいます。

もし、餌を与えなければ、動物は芸をしなくなります。
キーワードは褒めること
­­

人間でも同じです。幼児の時に、挨拶すれば褒められ、褒められることが嬉しくて、いろいろな人に挨拶をするようになります。自分の名前が書けるようになると、お母さんから褒められて、ひらがなを勉強します。褒められることがオペラント条件づけの「賞」の役をして子供のやる気を高めます。

­

しかし、親はいつの間にか、この褒めることを忘れ、「勉強しなさい」とだけ言うようになります。「賞」のないまま、ただ小言を言われたのではモチベーションは上がるはずもありません。

­

褒めることは、人を動かす力になります。やる気を出させるためには、上手に褒めることです。ビリギャルがあれほど学力をつけることができたのは、先生が上手に褒めたからなのです。
脳内ホルモン・ドーパミンがやる気を引き出す
­

図のように脳内ホルモンとは神経細胞同士のデータのやりとりを担う物質です。その脳内ホルモンの中で、やる気を引き出すのがドーパミンという脳内ホルモンです。成績を上げるためには本人のやる気が不可欠ですが、良い成績を取ると、嬉しくなりドーパミンが分泌され、脳が快楽を感じます。脳は快楽欲しさに勉強をするようになります。

­

そして、勉強をして、成績がアップしてドーパミンの快感を得ます。このように、脳内ホルモン・ドーパミンがやる気を引き出すという流れがあります。ビリギャルの頭の中はドーパミンでいっぱいだったことでしょう。
ドーパミンを分泌させる方法とは?
では、「褒める」以外に、どうしたらドーパミンを分泌させることができるのかをご紹介しましょう。

­

1.­­ ボランティア活動

最近の研究では、ボランティア活動や特定の人に優しくすると、6週間でドーパミンが放出されるようになるということが明らかになりました。

­

2.­­ GABA、柑橘系の香り

発芽玄米、トマト、なす、アスパラガス、かぼちゃ、きゅうり、メロン、みかんに含まれるGABAがドーパミンの効果を上げます。また、柑橘系のリモネンという香り成分がドーパミンを放出させます。

­

3.­­ お茶を飲む

お茶に含まれるテアニンという成分がドーパミンのレベルを高めます。ガムやキャンディーなどの菓子類、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルトなどの冷菓、清涼飲料水やニアウォーターなどの飲料、およびサプリメントや美容食品などに応用されています。

­

4.­­ 試験のデータを記録させること

試験のデータを記録させることがやる気を引き出します。点数がアップしていけば、勉強が楽しくなりやる気が出てきます。記録することを心理学では「外化」といい、頭の中を整理したり反省してモチベーションを高める作用が認められています。
記憶力を良くする方法がある!?
私の子供は舞台俳優をしています。台本を1回読むだけでセリフをとんど覚えるといいます。何度も受験に落ちているので特に頭が良いわけではないのになぜか?

­

実は、好きなことや必要性に迫られると、記憶力がよくなることが明らかになっています。わが子にとって演劇は何より好きなこと。だから、台本を1回読んだだけで覚えてしまうのです。

­

ビリギャルはどんどん成績が上がるので、勉強が楽しくて仕方なかったことでしょう。そのこともあって、知識をドンドン吸い込んでいったのでしょう。「好きこそ物の上手なれ」好きなことこそ覚えが早いのです。

­

子供の学力を高めたいならば、親は試験データを見ながらとにかく褒め、楽しいと思わせることで、記憶力もぐんぐんあがります。たまたま、良くない成績だったとしても、叱って「勉強しなさい」という指示では勉強しません。褒めることで、成功体験を実感させることが何より肝心なのです。