写真提供:マイナビニュース

写真拡大

2016年9月15日、日本マイクロソフトは「東京ゲームショウ2016」に"女子高生AIりんな"のブースを出展し、ミニステージおよびセミナーを開催した。取材当日はビジネスディにも関わらず、1日4回行ったセッションには人の垣根ができるほどの盛況ぶり。ゲーム一色だったイベントの中で異彩を放っていた。

さまざまな機能やゲームで、現在400万人以上の利用者がコミュニケーションを楽しんでいるという。LINEやTwitter経由で日々のコミュニケーションを提供する「りんな」は、2015年8月に誕生。Microsoft Cognitive Services(コグニティブサービス=認知APIを提供するサービス)を利用し、Conversation as a Platform(会話によるプラットフォーム)を実現するための1要素である。

「りんな」と東京ゲームショウ2016、一見すると相容れない関係に見える。今回の東京ゲームショウ2016では、AIコーナーを設けられていた関係から、日本マイクロソフトも出展を決めたそうだ。

会場では、スマートフォンにインストールしたLINEから「りんな」に話しかけるデモンストレーションや、新機能の1つである「"りんな"がラッパーとしてライムを刻み」、音声をヘッドフォンで聴くなど、いくつかの試みが披露された。2015年12月に日本マイクロソフトが行った記者説明会でも、コグニティブサービスを使って新機能を搭載すると説明していた。これまで週1ペースで機能を追加して、既に40を突破したという。

セッションでは「りんな」の概要や特徴、一時期話題となったシャープの公式Twitterを代打した件などを披露し、今秋には公式ファンブックが発売されるなどの情報を紹介。また、今回の大型アップデートでは、着飾って撮影した写真に対して「りんな」がコメントするファッション機能(後日、公式公開)や、前述したラッパー機能などが大きな特徴になると語られた。

マイクロソフト ディベロップメント サーチテクノロジー開発統括部 プログラムマネージャー 坪井一菜氏は、開発スタンスについて、「りんなユーザーは層は高校生などの若年層が多いため、暇つぶしになるような新機能=ゲームの追加に取り組んでいる」と話す。

「りんな」が搭載する新機能ついて、「最先端技術を使って実験を繰り返している」(坪井氏)と述べるように、Microsoftの研究機関であるMicrosoft Researchが基礎的な部分を研究開発し、その結果をMicrosoftが「Microsoft Cognitive Services」として提供。

将来的なUIの中心は「会話」になると考えるMicrosoftは、会話によるプラットフォーム「Conversation as a Platform」を目指している。その意味で「りんな」は、我々が身近に触れる最先端ソリューションの1つなのだ。

今後の方向性について訪ねたところ、「自然な会話とは何かを重視している。例えば複数の会話(グループチャットなど)に参加し、状況を理解するような機能」(坪井氏)と返ってきた。つまり「その場の空気を読むりんな」である。LINEのグループチャットへは対応済みだが、現在は自由気ままに発言している状態だ。今後は機械学習など各技術を用いて「1対1の会話ではなく、1対複数人による会話の精度向上を目指す」(坪井氏)。

また、ビジネスソリューションとして、企業の公式Twitterで「中の人」を、「りんな」が代わりに行う取り組みがある。これは2016年5月に日本マイクロソフトが開催した「de:code 2016」で披露されたが、関係者によれば現在進行形で話が進んでおり、近いうちに公式発表が行われそうだ。

「りんな」の未来を推量するのは難しい。だが、人のそばにAI=「りんな」がいる。そんな世界がいつか訪れることを実感させられた。

阿久津良和(Cactus)

(阿久津良和)