ウートピ読者のみなさま、こんにちは。
加藤千恵です。
社長のみなさーん、9月ですよー!
好きな物件駅は出雲です。

と唐突を通り越して、文脈のつながらない自己紹介をねじこんでみたのは、今冬に、ゲーム「桃太郎電鉄」の新作が発表されるというニュースを目にして、とても浮かれているからです。

やられたことある方も多いと思いますが、桃太郎電鉄、通称桃鉄、とてもおもしろいんですよ……。とてもとてもとても!

日本中(シリーズによっては世界中)を移動して、目的地を目指し、駅によっては物件を購入し、最終目的はプレイヤー内で一番の総資産額を目指す、というものなのですが、わたしはこのゲームのおかげで都道府県のおおまかな位置や名前を知ることができました。

もし機会あったら、みなさま、ぜひ一緒にプレイしましょう!

4回目のテーマ「夏の夕暮れ」

そんな中、連載は4回目を迎えました。

前回投稿が減ったかも、としつこく書いたせいか、今回はまた少し増えたようで、とてもありがたいです。

あ、そういえばツイッターで、投稿数が減ったから今なら即採用かも、とつぶやいてくださってた方がいらっしゃいましたが、減ったとはいえ、いつも掲載倍率はなかなかのものなので(具体的には書けませんが、1桁じゃない、とだけ記しておきますね)、心苦しく取捨選択を繰り返しております……。

なので即採用というわけにはいかないですが、ぜひ投稿してくださいね!

今回のテーマは「夏の夕暮れ」です。
いつも以上にレベルが高く、ありがたく悩ませていただきました。

似た題材の中では、言い回しがどこか独特であったり、言葉の流れが不自然でないもの(字数合わせのための助詞がないもの)などを選んでいますので、そういったあたりも気をつけながら作ってみていただけると嬉しいです。

「盆踊り」「伸びる影」「あおむけの蝉」……

それでは、今月も投稿作品の一部をご紹介させていただきます。

☆恋バナで盛り上がってる果ての果てこの盆踊りに命懸けてる(二代目笹原皇雪)

なんて応援したくなるような短歌! そしておもしろさ。恋バナの安易な揶揄に走るのではないところがいいなあと思います。

☆思い出のかけらばかりの校庭で転べばぜんぶ夕焼けだった(シュンイチ)

素晴らしい短歌ですね! ポエジーと現実のバランスが絶妙だと思います。言い回しにもセンスが感じられて、とても好きな歌でした。

☆夕暮れに 伸びる影もなにもかも 私のものになればいいのに(おおみやおもち)

二句目の字足らずが、かえって切実さになっている気もしてよかったです。影を欲しがるというのもいいですね。ただ二ヶ所の一字アケはないほうがいいかも。

☆夏だから花火もプールもいいけれど自転車こぐと汗かくじゃんか(ドロップアウト)

どこかに行くと見せかけて、結局どこにも行かないという、それはそれで夏らしい感じがして、共感しました。

☆蝉の死といっしょに夏が落ちていくのを一つずつ踏んで歩いた(小祝日魚子)

ロマンチックとホラー、夢と現実、比喩と風景、そういったものたちの境目にある気がしました。

☆君がただ浴衣を着てるだけなのにいつもと違う夏の夕暮れ(三月海月)

チューハイのキャッチコピーとか、そういうものになりそう。まっすぐさがストンとはまっていて、シンプルにいいなと思いました。

☆あっさりとマユちゃんフるなよ 本当ごめん 背中押したし、夕日あついし(えだまめ)

歌の中に句読点を用いるのはあまり好ましくないと思っているのですが、それでもなお選びたいほどのドラマ性と感情の揺れが感じられる、いい短歌だと思いました。

☆太陽が時間を掛けて帰ってく 遊び足りない子供みたいに(司辻 有香)

日没ではなく、太陽そのものを描写しつつも、自分自身が投影されているかのような視点がよかったです。

☆プールから帰る二人のうしろにはパピコみたいな甘やかな影(やまもとかずひろ)

これはなんといっても、四句目の比喩が効いてますね。たとえにあげたものも、その対象も、まさに夏という感じでいいですね。

☆この恋がうまくいくのかためすためつついてみるわあおむけの蝉(かむら礼)

ため、が繰り返されるところが、この歌自体をおまじないのようにしている気がしました。
あおむけの蝉をロマンチックなものにできるとは。

もう次の更新は秋になるのでしょうか。

涼しくなるのが寂しいような嬉しいような季節ですね。秋の夜長にもぜひ短歌を詠んでみていただけると嬉しいです。

みなさまの短歌、次回も楽しみにお待ちしています。

この連載を支えていくのは、画面の前のあなたたちです!(←とある番組風に)

そして最後に、テーマに沿った、わたしの自作短歌を一首発表させていただきます。

それでは!

また君は誰かのものになっていく このまま夜も秋も来ないで(加藤千恵)

現在、募集中のテーマ「秋の風」