旭山動物園のアムールトラ2頭。放飼場での様子/(C)旭川市旭山動物園

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まるで空を飛んでいるようなペンギンの泳ぐ姿や水中を泳ぐカバなど、生き生きとした行動展示が人気の旭山動物園に、今春アムールトラの赤ちゃん2頭が誕生! 元気な姿が今、見られます。

旭川市旭山動物園。改修中の産室/(C)旭川市旭山動物園

生まれたのは2016年4月8日。「ソーン」(オス)と「ナージャ」(メス)と名付けられた2頭はすくすく成長し、一般公開が始まったときは約50cmだった体長も、現在は約1m(9/15時点)。すでに「赤ちゃん」というにはちょっと大きめ……。

でも、ソーンとナージャがじゃれあうようすや、お母さんのザリアに甘える姿はまだまだ子供。思わず、「かわいいっ!」と抱きしめたくなっちゃう愛らしさ。でも、子供とはいえやっぱり「トラ」。特にソーンはたくましく、がっしりとした体形になってきています。

旭山動物園でアムールトラの赤ちゃんが見られるのは今回が初めて。ただ、お母さんのザリアは去年2015年9月に出産自体はしているんです。けれど、想定外の出産だったので産室の準備が満足にできず、ザリアも育児できずに失敗……。

そこで園でとりくんだのは……。

正解は上の写真。これはトラの産室の写真なんです。

そう、園では産室の改修に取り組んだのでした。まず産室のレイアウトを変え、出産育児に専念できる暗い産室と餌を食べ排便する寝室を用意。2つを自由に出入りできるようにしたそうです。

このレイアウトが良かったのか、前回は産室に餌を持ち込む行動が見られたのですが、今回はそれが見られなかったそう。また、前回は産室に慣れる期間が1ヶ月しかなかったのに対し、今回は妊娠期間の100日間、じっくり慣れさせてから出産にできるように調整。ザリアがリラックスして、出産・育児が出来る環境を整えました。

その甲斐あってか無事2016年4月8日に2頭を出産、育児もし始めたのです!

「赤ちゃん誕生!」のおめでたいニュースの裏には、飼育展示スタッフさんたちの努力と工夫があるんですね……。

(写真上・2頭を出産した直後のようす)

(写真上・寝室の2頭。2016年5月14日に撮影されたもの)

日々成長中のソーンとナージャ、どんどんサイズが大きくなっているので、子供らしいサイズ感を見たいという人は早めに動物園へ!(お父さんのキリルと、ザリア&子供たちは午前・午後交互に放飼場に出ています)

※写真提供・旭川市旭山動物園

【北海道ウォーカー/出村聖子】