リンゴは芯まで食べるとカラダに悪い、という科学的根拠

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リンゴやアンズなどの種には、体内で有毒なシアン化物に変わる物質が含まれている。数個摂取しただけで健康を害することはないが、シアン化物には人を死に至らしめる力がある。

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あなたのお母さんが「リンゴの芯は食べちゃだめよ」と言っていたのにはちゃんと意味があった、ということだ。

リンゴの種には「青酸配糖体」と呼ばれる物質が含まれている。そのひとつがアミグダリンで、腸内細菌によってシアン化物に変わる。このシアン化物は、人を死に至らしめる力をもつ。

ただし、リンゴ1個分の種では、少し気分が悪くなる程度のシアン化物さえも生成されない。

モモやアンズ、サクランボ、アーモンド、ウメ、ビワなどにも、アミグダリンが含まれる。だが普通は、アミグダリンが含まれている果物の種を丸ごと食べることはないし、アーモンドにも、害を及ぼすほどのアミグダリンは含まれていない。

青酸配糖体が毒性を発揮するためには、たとえばサクランボの種を、細かい粉状になるまで噛むか、すりつぶさねばならないだろう。アミグダリンを含む種を食べすぎて具合が悪くなる子どもはたまにいる。だが、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院で栄養健康センターを率いる登録栄養士のケイト・スウィーニーによれば、それは極めてまれなことで、一般的な量を明らかに超える量を摂取しなければ問題は起きないという。

大量のアミグダリンを摂取したときに体内で生成されるシアン化物は、研究室でつくられるシアン化物とまったく異なる。

18世紀の化学者カール・ヴィルヘルム・シェーレは、1782年に配糖体を水に溶かしてシアン化水素をつくり出した。紺色の顔料をつくったり、ある種の金属を硬化したりするのには大変有効だが、非常に有毒な物質だ。果物の種からも青酸配糖体を抽出できるが、現在、工業的に生成されているシアン化物は高濃度の気体や液体、結晶の形になっており、さまざまなものを製造するのに使われている。

こうした非常に強力な人工化学物質を吸入したり摂取したりすれば、細胞への酸素の供給が絶たれ、直ちに心臓と脳に悪影響を与える可能性がある。だがリンゴの種を少量摂取する程度であれば、微量のシアン化水素が体内で生成される可能性こそあるが、量が少なく濃度も低いので体が消化の過程で排出してくれる。

シアン化物中毒は軽く見てはいけないが、大量に食べたりしなければ起こらないということだ。オバマ大統領はアーモンドを「一晩に7個」食べると報道されているが、そうした習慣に問題はまったくない。

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