台湾では5月に独立志向の民進党政権が誕生したことで、大陸からの観光客が激減した。台湾市民の感情はさて置き、この状況は現地観光業界には大打撃だ。12日には、政府に業界の現状正視を求める観光業者のデモ行進が行われた。(写真は台北市の中正紀念堂、写真提供:(C)Panom Bounak/123RF)

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 台湾では5月に独立志向の民進党政権が誕生したことで、大陸からの観光客が激減した。台湾市民の感情はさて置き、この状況は現地観光業界には大打撃だ。12日には、政府に業界の現状正視を求める観光業者のデモ行進が行われた。

 台湾メディア・東森新聞雲は14日、このデモに対して現地在住の日本人が違和感を示したとする記事を掲載した。記事は、観光業界関係者による大規模なデモ行進に対して、ある在台日本人が13日にネット上で「目的が全く理解できないし、その訴えは奇妙なものだ」との見解を示したと紹介。

 さらに、このユーザーが「どうして政府に頼って自分たちで市場拡大、客源の開拓に努めようとしないのか」、「そもそも中国大陸の観光客にすべて依存するような経営は非常に危険だ」として、台湾観光業界の苦境は自ら播いた種であるとの論理を展開したことを伝えた。

 このユーザーの言い分は2016年1月の段階で「民進党政権が誕生すれば大陸観光客に影響が出る」との指摘があり、観光客の減少は早々に予期でき、この8か月間で何らかの打開策を考えられたのではないか、というものだ。記事はさらに、このユーザーが「毎度台湾政府のせいにする人は、今の仕事にしても、転職したとしても、きっとうまくいかないだろう」との感想を残していることも併せて紹介した。

 台湾の当局や観光関連業界は現在、日本の観光客をより多く呼び込もうと積極的に取り組んでいる。ただ、それだけでは逃げていった莫大な消費力を持つ大陸人観光客の穴を埋めることは難しいはずだ。リスクヘッジという意味でも、日本や大陸以外の観光客をさらに呼び込むためのプロモーションを業界が仕掛けていかなければならない。その点は日本の観光業界も同じ。互いに交流する中で知恵を出し合い、ともに市場開拓に取り組むことができるはずだ。(編集担当:今関忠馬)(写真は台北市の中正紀念堂、写真提供:(C)Panom Bounak/123RF)