「環境の変化に柔軟に対応する」

そう聞くと、学生時代の就職活動を思い出してしまうのは自分だけだろうか?というのも、企業が求める人物像の“常套句”だったから。

ときはリーマン・ショック直後。想定外の事態が発生し、多くの企業が決断・変革を余儀なくされたからこそ、学生側に柔軟性を求めるのも自然な流れだったのかもしれない。

でも、きっとこの能力の重要性は、人や企業に限らず街にも当てはまる。変化を続けられる街はこんなにも可能性に溢れ、人々を惹きつけるから。

変化を受け入れ、
独自の文化を醸成した街

福井県鯖江市東部の河和田地区は、約4,400人が暮らす、三方を山に囲まれた小さな集落。メガネづくりはもちろん、約1,500年の歴史をもつ越前漆器でも有名だ。

その昔、河和田の漆かき職人たちは、全国の半数を占めたそう。東北や関東まで漆の樹液を求めて行脚しては、訪れた場所の文化や最先端の情報を持ち帰り、暮らしの中に取り入れた。

こうした歴史があるからこそ、この土地には変化を受け入れ、暮らしに合わせたものづくりや独自の文化を醸成する土壌がある。たとえば最近では、漆器の技術を応用した木製雑貨ブランドの活躍や県外からの移住の受け入れが特徴的だ。

さて、ようやく本題。

そんな河和田の柔軟性を象徴するイベントが「RENEW」。普段、一般には閉ざされているメガネや漆器などの工房が公開され、職人たちの手仕事を間近で見ることが可能。ワークショップへの参加やこの地で作られた産品の購入もできるなど、今年で2回目を迎える体感型マーケットとなっている。

参加するメーカーの数は去年の22社から37社に増加。

たとえば、伝統的な丸物木地師としての技術を継承しながら、「価値の再定義」をコンセプトとして、木材を中心に素材・製法にこだわることなくプロダクトを製作する「ろくろ舎」。

1996年にオリジナルブランド「TURNING」を立ち上げた「谷口眼鏡」や「加藤製作所」。

「Hacoa」は、越前漆器の木地技術を応用したキーボードや名刺入れなどを製作している。

社会全体の価値観が「モノ」から「コト」へシフトした、なんてことが盛んに言われているが、このイベントも、そんな時代の流れを汲むものと言える。

作り手とつながる2日間

開催日は10月15、16日。生活様式の変化に対して、知恵を絞り、暮らしを考え続けてきたからこそ出会える文化がここにある。ぜひこの機会をお見逃しなく。

【概要】
RENEW
・期間:2016年10月15日(土)・16 日(日)
・時間:10:00〜17:00 ※15日はナイトイベントあり(18:00〜22:00)
・場所:福井県鯖江市河和田地区一円
・総合案内所:うるしの里会館
・料金:無料
・HP:http://kawada-t.jp/renew/
Licensed material used with permission by RENEW実行委員会