13日、新浪財経は、「日本人はなぜ“匠(たくみ)の精神”の代表格になったのか」と題する記事を掲載した。資料写真。

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2016年9月13日、新浪財経は、「日本人はなぜ“匠(たくみ)の精神”の代表格になったのか」と題する記事を掲載した。

中国では今年、“匠の精神”に大きな注目が集まり、北京語言大学国家語言資源モニタリング・研究センターが発表した「2016年春・夏の中国主流新聞の流行語」の総合部門でも、トップ10に選出されている。

記事は、“匠の精神”について、「現在、国の上層部から民間までが提唱する精神で、メディアもさまざまな形で称賛している。しかし、この精神を語っているといつの間にか日本人にたどり着く」とし、「なぜ“匠の精神”と日本人はこれほどまでに関連性が高いのか」と疑問を提起した。

その答えとして、記事はいくつかの事柄を紹介している。まずは、日本には終身雇用制によって一生に一つのことを極めるという環境があったこと。一通りの技術を身に付けると次々に転職していく中国では、匠の精神は育たないとしている。確かに、2014年の報告では、中国人が一つの職場で仕事をする期間は平均で34カ月と3年にも満たなかった。一方、日本は一昔前までは一つの会社で定年まで勤めるのが当たり前だった。記事は、松下電器が1918年に採用した終身雇用制や、年功序列といった日本的な企業文化がその根幹にあったと指摘している。

また、記事は「日本製」に対する中国人の印象に、「信頼できる」という概念があることにも言及する。記事によると、この概念は自らの実感というよりも、他所から聞いてそのような印象を抱いている人が多いという。「日本の家電や自動車などの品質は確かに高く、長年積み重ねてきた口コミによるところもある」としながらも、「政府と密接な関わりのあるNHKが、大河ドラマやドキュメンタリーなどの放送を通じて、長年にわたって日本の歴史文化を宣伝し、日本の製造業をPRしてきたからである」とも指摘している。

中国では「すしの神」と称される小野二郎氏のドキュメンタリーが有名で、それを見た多くの中国人が何カ月も前からすきやばし次郎に予約を入れる。また、同店はオバマ大統領訪日の際に安倍晋三首相が招待したことで世界的にも有名になった。記事は、「NHKや首相、日本人がそれぞれの方法で日本の『信頼』という概念を宣伝したことによって、日本式の“匠の精神”の種が世界中にまかれている」と分析している。

そして最後に、「自メディア」と呼ばれる中国の小メディアが過度に日本を称賛していると指摘する。そこで例として挙げられているのが、日本の農家を営む木村秋則さんが生み出した「奇跡のリンゴ」だ。

木村さんは世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功。そのリンゴは1年経っても腐らなかったという。中国の小メディアは1年置いても腐らないファストフード店のハンバーガーについては、防腐剤が入ったジャンクフードの代表としてバッシングの対象にしている一方、「奇跡のリンゴ」については「“匠の精神”の賜物」と絶賛している。一見するとおかしくないようにも思えるが、「奇跡のリンゴ」について日本のネット上では「無農薬で栽培することによって、リンゴ自身が農薬成分を作り出してしまう」とその危険性を指摘する声も出ている。記事は、「日本製品が一貫して高品質を保ってきたことはもちろんのこと」としつつ、自メディアが盲目的に日本を持ち上げてきたことで過度なイメージが形作られたとの考えを示している。(翻訳・編集/北田)