プロ野球・歓喜の優勝“翌日”事件簿

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 9月10日、25年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた広島。広島の街は大盛り上がり、選手たちもほぼ初めてのビールかけに興奮しまくりで勝利の美酒を浴び、たらふく味わった。

 その翌日の巨人戦、広島は0対8で惨敗。ここまでのシーズンの戦いが夢だったかのように“お疲れモード”で敗れ去った。

 広島の先発はプロ1軍初登板の塹江敦哉。塹江はまだ19歳で二日酔いの心配もなく、緒方孝市監督の次世代を育てる意志が伝わってきたが、0.1回で6失点。こちらは辛酸を舐めた。

 歓喜の瞬間の翌日、これまでどんな事件があったのか調べてみた。

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■風邪を引いた選手が続出

 1998年10月8日、セ・リーグ優勝を果たした横浜。しかし、翌日、二日酔いどころか風邪を引いた選手が続出したという。

 その理由はビールかけの長さ。38年ぶりの優勝ということもあって、選手たちは大盛り上がり。普通は10から15分程度で終わるビールかけをなんと延々と30分以上も行ったのだった。さすがマシンガン打線である。

 しかも、2400本のビールかけ用の常温ビールを使いきり、次に出てきたのは祝勝会用に用意されていたキンキンに冷えたビール。ほとんどの選手がビールかけ初体験だったため、10月に冷たいビールを浴びることがいかに害をもたらすか知る由もなかった……。

■ビールかけを欠席し、余裕の完投勝利

 2003年9月16日、阪神が18年ぶりにリーグ優勝を決めた翌日、井川慶が快投を見せた。広島打線を相手にソロホームラン1本を許しただけの3安打完投。わずか2時間12分でサクサクと試合を終わらせたのだ。

 それもそのはず、井川は下戸ということもあり、「翌日登板なので……」と前日のビールかけを欠席。登板に備えてコンディショニング調整をしていたのだ!

 この件で井川は「ノリが悪い」と首脳陣やマスコミから批判を受けたが、二日酔いの同僚たちにとってはいかにありがたかったことか……、想像に難しくない。

 忘年会や納会の翌日にもバリバリ働く企業ソルジャーのようなカッコよさがあったに違いない。

■ベンチで寝ている相手に負け非難を浴びる

 昨年、ヤクルト優勝の翌日も大いに話題になった。前日に神宮球場で優勝を果たし、そのまま新幹線で移動して迎えた広島戦。ヤクルトは延長11回の死闘を6対4で制した。

 しかし、ヤクルトの選手たちは……というと試合中もグッタリ。真中満監督をはじめ、ベンチの手すりに前のめりになってウトウト。ベンチはさながら深夜の居酒屋のカウンターのようだった。

 そのヤクルトに負けたことで広島ファンは怒り心頭。CS進出を争う最中、「二日酔いのチームにも勝てないのか!」と緒方孝市監督は批判の血祭りにあげられた。

 その約1年後、緒方監督が胴上げされていようとは……。プロ野球界の移ろいは早いものだ。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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