■注目の「癒し系」ゴルファー(1)三ヶ島かな

 若くて、実力のある選手が次々に登場し、毎年のように新たな"ヒロイン"が誕生している女子ゴルフ界。今季も、将来を嘱望される若手プレーヤーが何人も台頭している。そんな中、ファンに注目されているのが、"癒し系"美女ゴルファーだ。

 そのひとりは、福岡県出身の三ヶ島(みかしま)かな。

 1996年7月13日生まれの20歳。 福岡のゴルフ強豪校・沖学園高時代には、九州や全国大会で活躍した。高校卒業後、2015年夏に挑戦したプロテストは惜しくも不合格に終わったが、昨年のファイナルQT(※1)で5位という好成績を収め、TPD単年登録(※2)選手として今季からツアーフル参戦を果たしている。
※1=クォリファイングトーナメント。ファースト、セカンド、サード、ファイナルという順に行なわれる、ツアーの出場資格を得るためのトーナメント。ファイナルQTで40位前後の成績を収めれば、翌年ツアーの大半は出場できる。
※2=プロ資格を保持していない選手でも、TPD(トーナメントプレイヤーズディビジョン)単年登録をすれば、ツアーに出場できる。通常、セカンドQTを突破すれば登録可能だが、ファイナルQTで上位に入らなければ、主催者推薦などを含めても出場数は限られる。

 初のプロツアーながら、コンスタントに予選突破を果たしている三ヶ島。現在の賞金ランキングは52位と、シード権争いのボーダーライン上で奮闘している。最近では、上位争いに名を連ねることもあって、徐々に注目を集める存在となっている。

「癒し系」と言われることについて、三ヶ島本人はこう語る。

「(自分が)"癒し系"かどうかわかりませんが、(周囲からは)よく『変わっている』とは言われます。何を考えているのかわからない、なんか『フワフワしてるね』って」

 実際の性格はどうなのだろうか。

「ノー天気というか、スパッとしている。その辺は、プロ向きかなって思っています。もちろん、スコアを叩いたときは落ち込むし、表情にも出ちゃうんですけど、次のホールのティーショットに向かうまでには、笑っているように心がけています。本当は、派手なガッツポーズをしたり、(上田)桃子さんのようにカッコよく振舞ったり、できればいいなぁって、思っているんです。でも、私にはできませんから(笑)」

 ゴルフに関してはどうか。「ここは自信がある」という部分を聞いてみると、こんな答えが返ってきた。

「何だろう......。大きく曲げないところしかないです。ただそれだと、パー、またパー、またパー......みたいなゴルフで、見ている人は面白くないんじゃないかって思うんですよ。だって、林の中に飛んでいっても、そこからうまく出して、バーディー! ガッツ! みたいなほうが、見ている人は楽しくないですか?」

 ちなみに、最も得意とするのは「80ヤードのショット」だと言う。中途半端な距離に思えるが、それには理由がある。

「高校時代に通っていた練習場には80ヤード地点に看板があるんですけど、練習の合間に仲間とジュースをかけて、その看板当ての勝負をしていたんですね。それで勝つとうれしいじゃないですか。それから、80ヤードが得意になったんです」

 巷の評判どおり、やはり三ヶ島はフワッとした感のある"癒し系"である。その言動も、雰囲気も独特なものがある。しかしその一方で、違った一面も持ち合わせている。

 シーズン前のオフ、「ハマの番長」こと三浦大輔(横浜DeNAベイスターズ)や、若手のプロ野球選手たちとの合同トレーニングに参加。その際、彼らとほぼ同じメニューを消化したという。さすがに無理だと思われたシートノックも、自ら「やりたいです!」と申し出て、外野フライなどを見事にキャッチ。見た目とは違った根性の持ち主で、"番長"三浦からも「さすがプロ」と褒められたそうだ。

 当面の目標を聞くと、「シード権です」と三ヶ島。

「将来的には、長い間、毎年シード権を獲れる選手になりたいです。優勝は......、できたらしたいですけど。できれば今年は、10月30日が日曜日で、その週には樋口久子・三菱電機レディスが開催されているので、その試合で勝ちたいなって思っています」

 いきなり積極的な発言が飛び出した三ヶ島。その真意を問うと、こう続けた。

「実は、10月30日はお父さんの誕生日なんですよ。親孝行したい、と思って。それにお父さんが、私が優勝して『一緒にトロフィーを持つことができれば死ねる!』とか言うけん、がんばろうかと」

 それでは、お父さんが亡くなってしまうのでは......。

「いやいや、違う、違う(笑)。実現したいことや、やりたいと思っていることは、早め、早めにやり遂げたいな、と思って。とりあえず、後々未練が残らないように、です(笑)」

 三ヶ島の父親である直(すなお)さんは、三ヶ島にとってゴルフを教えてくれた師匠であり、現在は帯同キャディーとしてバックアップしてくれる存在でもある。その分、父親への感謝の気持ちは大きい。

「いつもキャディーをしてもらっているのは、すごくありがたいと思っています。しかも学生のときから、ティーショットを曲げたりしても、『なんでこんなところに打つんだ!』とか、一度も怒鳴られたことがないんです。反対にそういう場面では、冗談を言って笑わせてくれたり、気持ちをリラックスさせてくれたりしてくれるんですよ。お父さんとケンカですか? しないですね。だから逆に、プレー中にケンカしている親子を見ると、何でかなって思います」

 そこまで仲がいいと、娘が嫁に行くことになったら、父親は大変だろう。先の話ではあるが、三ヶ島の結婚観についても聞いてみた。

「理想の結婚は、30歳くらいにできればいいな、と思っています。あと10年はちゃんとゴルフがしたいと思っているので。結婚したらゴルフはやめる考えでいますけど、未練タラタラで(結婚しても)ゴルフをしたいと思うだろうなって思います。そうなると、ゴルフをさせてくれる人がいいので、(相手は)やっぱり年上の人がいいかな」

 シード権獲得に向けて、奮闘する三ヶ島。その目標を達成するには、残り少なくなった出場試合のすべてが重要になる。土壇場で持ち前の"根性"を発揮できるのか、そのプレーぶりから目が離せない。

古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki