熟年離婚で後悔しないために知っておきたい3つのお金の話

写真拡大

最近では、熟年離婚という言葉を当たり前のようにテレビなどで耳にする。定年退職の日、家に帰ったら妻から離婚届けを突き付けられたなどという恐ろしい話も、既婚者にとっては既に他人事ではない世の中なのかもしれない。「教えて!goo」で、「あなたの身近に熟年離婚した人はいますか?」という質問が寄せられていたのだが、そこには「(前略)私の両親です。母には、父を男として好きか嫌いかで判断して欲しいと話しました。離婚が決定した段階で、母には『今以上の幸せな人生を』と願いましたが、今は私が羨むほど人生を楽しんでいます」(AMAGAERU2さん)のように、離婚をして幸せになったケースもあるようだ。

しかし、年齢を重ねてからの離婚は、若い頃よりもトラブルが起こりやすいということはないだろうか。決断前に可能な限りのリスクは知っておきたいところである。そこで、女性ライフスクール代表の山本和美さんに、熟年離婚して後悔しないために、制度や法律について教えてもらうことにした。

■財産は基本折半だが、例外もあり

まず、一番気になるマイホームや退職金といった夫婦の財産分与について聞いた。

「結婚後、夫婦で手に入れたマイホームなどの財産は、基本的に折半です。反面、住宅ローンも共有することになりますので、返済が残っている場合、それも折半ということになります。婚姻期間中の夫の退職金は財産分与の対象になりますが、退職金受給がはっきりしない場合は、分与とならないこともあります。退職金が実際に支払われるのは退職時ですから、会社の倒産やご本人の途中退職、また、その退職理由などによっては確実な金額や保証があるというわけではありません。勤務先の経営状況などが影響するという点にも注意が必要です」(山本さん)

財産に関しては、どれが誰のものという明確な整理ができないとトラブルにもなるだろう。また、ローンなどのマイナス財産も折半される。なにより、持ち家についてはローンの状況をしっかり把握しておく必要がありそうだ。

■慰謝料を請求する場合、期限に注意

離婚の原因によっては、慰謝料を請求することになるが、その際に注意しておくべきことはなんだろうか。

「離婚の原因となりえるもので、浮気やDVなど慰謝料を請求できるものもありますが、行為が行われたことを認識した時点から期限が3年とされています。3年以降は請求が不可能となるので、敏速な対応が望ましいです。被害を受けた期間、暴力を受けた日の翌日から3年で時効となります」(山本さん)

なんと、慰謝料に請求できる期限があったとは……。もし、被害を受けたと認識したら早めに対処を検討するとよいだろう。

■年金が分割の対象か見極めるのも重要

最後に、老後の生活において重要な年金についてのお話を伺った。

「年金分割制度の改正で、夫がかけていた年金も半分が妻側へ支給されるようになりました。しかし、自営業などの国民年金保険は対象外となります。共済年金と厚生年金のみが対象です。それ以外は対象になりません」(山本さん)

自分の配偶者の年金が、年金分割の対象となるのかをあらかじめ把握しておけば、速やかに受給の手続きに入れるだろう。もし分割の対象にならないのであれば、この件を含めた離婚の条件を再検討する必要がありそうだ。

熟年離婚は若くして離婚する場合に比べ、リスクが大きいことは否めない。感情や成り行きに任せて実行に移したりせず、踏みきるにしても確かな知識を身につけ、慎重に検討と準備をする必要がありそうだ。

●専門家プロフィール:山本 和美
大人の女性の自分磨き塾 「女性ライフスクール」代表。美容レッスンに加え、次世代の結婚観に関する講座やサポートを行う。卒婚アドバイザーとして、既存の夫婦像にとらわれない新しいスタイルの結婚生活・家族観で、自由且つ前向きな女性ライフを提唱。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)