コスモポリタン9月のテーマが「グローバル」ということで、まずは海外に行くイメトレをするべく、そのエリアの雰囲気やムードたっぷりの映画を5本ご紹介! 第6回は、北欧からノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの映画をピックアップ。

【北欧】

デザイン性の高いインテリアや食器、テキスタイル、雄大な自然、色彩豊かな家々など、女子なら大好きな北欧。ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド4カ国の映画もそれぞれ見どころ満点です。

■「かもめ食堂」

サチエ(小林聡美)が営むヘルシンキの小さな「かもめ食堂」に集ってくる人々とのほのぼのとした交流を描いた本作はオール・フィンランドロケを敢行。「かもめ食堂」はもちろん、サチエとミドリ(片桐はいり)が出会う書店の中のカフェも実在しており、本作をきっかけに観光客も多く訪れているのだとか。商店街とも言えるマーケットの様子や港の風景など行ってみたいと思う場所がたくさん。イッタラのオリゴなどの食器もかわいい。

■「シンプル・シモン」

アカデミー外国語賞のスウェーデン代表にも選ばれたハートウォーミングコメディ。アスペルガー症候群の主人公シモン(ビル・スカルスガルド。名優ステラン・スカルスガルドの三男)が、大好きな兄のために完璧な恋人を探してあげようとトラブルを引き起こしつつも奮闘していきます。外景は北欧ののどかな田舎町ですが、北欧デザインのインテリアやファッションがたっぷり出てくるのが楽しい。

■「ホルテンさんのはじめての冒険」

無遅刻無欠勤、真面目だけが取り得の鉄道員のホルテンさんが定年退職する日の朝に大遅刻。混乱したホルテンさんは予想もしなかった冒険をすることに――。こちらもアカデミー外国語賞に選出されたノルウェー産の心温まる物語。ホルテンさんが勤めているのは、首都のオスロと世界遺産の港町ベルゲンを繋ぐ「ベルゲン急行」で、冬のノルウェーを駆け抜ける列車からの風景で旅情気分を味わえます。

■「街のあかり」

フィンランドと言えば酔いどれ鬼才アキ・カウリスマキ。彼は常に庶民や弱者を淡々とした眼差しで描いていきます。本作はヘルシンキで警備員として働くしがない男が謎の美女に騙され、濡れ罪を着せられてしまうという"敗者"の物語。それでも希望をにじませるラストがさすがです。主人公と美女が出会うクラブや一緒に行くカフェなどがヘルシンキの中心部に実在。どこもちょっぴりしなびているのがいかにもフィンランドの風情。

■「リリーのすべて」

世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー(エディ・レッドメイン)とその妻(アリシア・ヴィキャンデル)の実話を映画化した感動作。今年のアカデミー賞でアリシアが助演女優賞を受賞しています。舞台となっているコペンハーゲン(後半はパリ)のカラフルな街並み、船が浮かぶ運河、石畳の路上など、北欧ならではの風景を堪能できます。時代劇でもそのまま撮影ができてしまうって日本じゃ考えられないですよね。