「1日1万歩が体に良い」は全ての人にあてはまるのか?

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健康のために“ウォーキング”をしている人も多いのではないでしょうか。

100円ショップでも販売されている万歩計。携帯電話や時計などにも万歩計がついているものも多く気軽に歩数がわかりますが、どれくらいの歩数を目指していますか?

一つの基準として、“1万歩”と答える人が多いようですが、果たして全ての人が1万歩を目標にするのがベストなのでしょうか? 実はそうではなく、1万歩を目指すと思わぬ病気になることだってあるんです!

そこで今回は、「健康的な歩数」について管理栄養士の筆者がご紹介いたします。

 

■「1日1万歩」は実は多すぎる

多くの人が目標とする1日1万歩。しかし、これは万人に推奨される歩数ではありません。

昨年発表された、群馬県で15年間65歳以上の住民に行った調査では、ベストな目標値は8,000歩/日で、そのうち20分は早歩きをすること。それが脳卒中・心疾患・認知症・骨粗しょう症・動脈硬化・高血圧・糖尿病の予防に効果的で、それ以上歩いても病気予防の効果は変わらないと発表されました。

実際、厚生労働省によると65歳以上の高齢者の1日平均歩数は、男性5,779歩・女性4,736歩で、1日における歩数目標は、男性6,700歩・女性5,900歩程度。1万歩からは随分と差があるのです。

 

■運動量が多いことで起こるリスク

日常生活において歩行運動を積極的に行なうことは、身体機能の老化予防や寝たきり予防には確かに効果的です。

しかし、普通に歩くだけでも膝には体重の3倍以上、階段では体重の7倍以上の負担がかかることもあります。もちろん体重が重ければ重いほど、膝への負担も大。

そして高齢者は。膝のクッションの役割をしている関節軟骨や半月板などがすり減る“変形性膝関節症”の人も多くいます。痛みがあるのにウォーキングを続ければ痛みが悪化することもあります。

また張り切って1万歩目指して運動してしまうと、糖尿病の方は低血糖を起こしたり、高血圧症の方は血圧が高くなりすぎたり。痛風の方は痛風発作が起こったり、心臓病の方は心臓に負担がかかることもあります。

病気の方は必ず医師に相談して運動量の指示をもらうようにしましょう。

 

■1日1万歩歩いた方がよい人とは?

厚生労働省のホームページでは、

身体活動量と死亡率などとの関連をみた疫学的研究の結果からは、「1日1万歩」の歩数を確保することが理想と考えられる

とされていますが、これはあくまでも健常な人で、運動機能が衰えていない年代に対しての話。約10分の歩行で1,000歩ほど、距離としては600〜700m歩ける人に向けて発信しています。

運動機能の衰えでいえば、平成26年の『国民健康・栄養調査』では、歩数の平均値は男性7,043歩・女性6,015歩と、直近10年間でみると男性では歩数が有意に減少しています。

足腰が健康なときに1日1万歩を目指すことは、肥満予防、生活習慣病予防にもなります。健康といえども、無理に目標を設定するのではなく、歩数はあくまでも“目安”として、心地よいと感じる運動をするようにしたいですね。

 

■適度なウォーキングの目安は?

では、何を目安に適度なウォーキングとすれば良いのでしょうか。

それは、

(1)ダラダラと汗をかくのではなく、汗ばむ程度の強度

(2)息が上がってしまうほどのウォーキングではなく、ちょっと会話ができるくらい

がオススメです。

特に、夕方3〜5時くらいは、体温も1日の中で高く、運動効率も良い時間帯なので、この時間にウォーキングをすると、歩数を稼がなくても体には良い影響が出やすくなります。

ただ、この時間は1日の中で気温が高いことが多いので、炎天下を避ける、あまりにも気温が高い時は時間をずらすようにした方が安心です。

 

いかがでしたか? 今回は健康的なウォーキングについてご紹介いたしました。運動は確かに健康をもたらしてくれるものではありますが、無理をすれば元も子もないものになってしまいます。

その時の自分の調子を確認した上で、無理のない運動をしてくださいね。

(ライター 望月理恵子)

 

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【参考】

※ 平成26年国民健康・栄養調査結果の概要 - 厚生労働省

 

【画像】

※ lzf / Shutterstock