「家計を助けようとすでにパートをしている主婦のみなさんは、103万円、130万円という2つの“年収の壁”をご存じだと思います。節税を考えて、働く時間、収入を調整しているわけですね。でも、この2つの壁が次々に崩壊し、この秋以降、税金の負担増が家計を直撃することが予想されているのです。事前に正しい知識を得て、賢く対応していくべきでしょう」(経済エッセイストで社会保険労務士の井戸美枝さん)

今年10月に106万円の壁が新たに生まれ、来年1月から配偶者控除が撤廃される見通しで、家事や育児、介護で忙しい専業主婦も、労働時間を増やしていかなくてはならない時代がやってくるという。年収・夫600万円&妻120万円で、約36万円の収入減が予想される秋以降、せっかくパートで稼いだお金を「無駄遣いしない」ためにはどうしたらいいのだろう?

「お金が貯まる主婦は、日々の生活のなかで“リッチー脳”が機能しています。ぜひこのチェックリストを基に、自分の思考や日々の行動を振り返ってみてください」

こう語るのは、『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)の著書もある、経済評論家の加谷珪一さん。加谷さんが紹介する「お金が貯まる主婦」の行動習慣チェックリストは次のとおり。

(1)自分へのご褒美は買ったことがない
(2)家族でお金の話を良くする
(3)ちょっと安くても、遠い店なら行かない
(4)基本的に、まとめ買いはしない
(5)給料・税金・社会保険・生命保険のだいたいの金額を把握している
(6)家計は夫も把握していて、お小遣い制にしていない。自分も必要なものは問題なく買っている
(7)買い物をするときはネットとリアル店舗両方の価格をチェックする
(8)お盆と正月を外して帰省している
(9)自分専用のパソコンを持っている
(10)家電のちょっとした修理、エアコンの掃除などはできるだけ夫にやってもらう

1〜10の解説とともに加谷さんがアドバイスをしてくれた。

「いちばん大事なことは、お金を“必要なもの”に使うことです。1に該当しなかった人は、必要なものではなく、欲しいものにお金を使っているわけです。これではお金は出ていく一方でしょう」

次に知っておきたいのは、可能な限り安く買う努力。7の値段比較、8の混雑のピーク時に帰省を避けるようなことは、基本中の基本だという。しかし、ふだんから節約や無駄遣いをなくそうと考えている人でも、逆効果となるケースがあるので要注意だ。

「9のように、日ごろからパソコンで家計簿をつけたり情報収集をするのはよいことですが、それが行き過ぎて、1円の安さを追い求めて遠出したりするのは時間のムダにつながります(3)。4も同様です。まとめ買いをして“得した”と思っていても、結局は余らせて無駄遣いになってしまっては、元も子もないわけです」

そして、将来的にお金をため続けるためには、自分一人の努力だけでは無理だと、加谷さんは断言する。

「お金の話をするのは下品という風潮がありますが、ぜひお金についての“議論”を繰り返して、月のコストやお小遣いなどを把握する努力をしていただきたい(2、5、6)。それができれば、10のように、家族の協力も得られるようになるはずです」

このチェックリストを参考に、お金に対する感覚を磨いていこう!