お店にワインを持ち込むことをBring Your Own (あなたのものを持ち込む) の頭文字をとってBYOと呼ぶの、知ってましたか? 海外ではよくある習慣だそうですが、最近は日本でもやる人が徐々に増えて、ムーブメントになり始めているもよう。BYOについて、ワイン・ジャーナリストの浮田泰幸(うきた・やすゆき)さんに聞きました。

欧米のカジュアルレストランならBYOは当たり前

「BYOはオーストラリアが発祥地。もともと酒類販売のライセンス取得のハードルが高く、ワインを置いている飲食店が少ないこと、そして高級レストランは人件費も高いためワインが高額になってしまうことから生まれた習慣です。カジュアルなレストランならBYOは当たり前。近隣の酒屋さん(ボトルショップ)でワインを買って持ち込み、コーケイジ(抜栓量)と呼ばれる少額の持ち込み料を払うのが習わしです」とのこと。

持ち込みのメリットは?

では、ワインリストが充実したお店が多い日本で、わざわざBYOをする理由は?

「貴重なワインをいただいたり、珍しいワインを見つけたりした時に、ひとりで飲むのは寂しいですよね。ワインは人と飲んでこそ楽しいもの。だからといって、自宅で凝った料理を用意してパーティーを開くのは大仕事。“あの人ならこの味どう思うかな?”と顔が浮かんだ人となじみのお店で試してみたくなりませんか?」と浮田さん。

自分が「美味しい」と感動したワインを気に入った料理と合わせて、誰かと分かち合う。それは確かにあり!ですね。だんだんBYOをやってみたくなりました。

自分で選ぶ楽しさ

「BYOは、ソムリエから勧められるがままに飲むのではなく、主体的にワインと関われるのがポイントです。日本の都市部ほど、ワインショップや酒屋、オンラインショップが充実していて、いろんなワインが手に入るところはありません。でも、あらゆるワインを取り揃えている飲食店なんてないし、焼き鳥やジンギスカンを食べながらワインが飲みたくなることだってある。ワインとの関わりを外食産業と飲み手が一緒になって豊かにしていくという意味でも広めたいムーブメントです」

マナーや価格は?

では具体的にどうやってBYOをしたらいいのでしょう?

浮田さんによると、まず、一度は足を運んだことのあるお店(通い慣れた店ならベター)に、BYOが可能かどうか聞いてみること。持ち込んだワイン以外に必ずお店のリストからも何か注文すること。持ち込んだワインはボトルに少し残して、店主やバーマンに「よかったら、お試しして」と置いていくこと。「お店によっては、ワイングラスを持参することもあります」とのこと。

東京での持ち込み料の平均は1本1000〜2000円ほど。店のワインリストから選ぶよりもコスパがよくなるのも魅力。

最後に

「今まで東京で試したBYOのベストは、鴨料理専門店にオーストラリアの古木のブドウで造ったワインを飲み込み、鴨鍋に合わせた時でした。お好み焼き屋にスペインの珍品ワインを持ち込んだ時も楽しかったです。次回はお気に入りの四川料理店でBYOを試したいと思っています。少しずつBYOに理解を示してくれる店が増えるといいですね」と浮田さん。

浮田さんのお話を聞いて、今度行きつけのお店で女子会をする時にはBYOにチャレンジしてみようと思いました。みなさんも気軽にBYOしてみては?

(志田実恵)