そろそろ、1年で2番目に引越しが多いといわれる秋の引っ越しシーズンです。

転勤などで引越しを考える際には、賃貸マンションやアパートを探すことになると思いますが、そんなときには、どの不動産会社にしようか悩むはず。

そして選ぶ基準として多いのが、「全国的に名前が知られているような大きな不動産会社」だということではないでしょうか?

たしかに大手の不動産会社には、「たくさん物件を持っていそうで、紹介してくれる件数も多そう」といった印象がありますが、実はそうではないのです。

それどころか、街の小さな不動産会社も大手の不動産会社も、紹介を受けられる件数に大差はありません。なぜなら紹介物件のほとんどを、不動産会社しか持っていない情報ネットワークから引っ張っているケースが多いから。

では、なにを基準に不動産会社を選べばよいのでしょうか?

■免許番号前につけられている番号がポイント

不動産会社を経営するには、国や地方公共団体から免許をもらわなければなりません。都道府県をまたいで全国で営業する大きな不動産会社は、国(国土交通大臣)から免許の交付を受けます。

一方、本店のみで営業する場合は、その事務所や店舗の所在地である地方公共団体(たとえば東京都など)から免許の交付を受けることになります。

そしてこの免許には免許番号がつけられており、その番号の前にはカッコつきの番号がついています。

<例>国土交通省(15)第12345号

実はこのカッコつきの番号は、免許の更新をした回数なのです。たとえば、更新回数が1回であれば(1)となり、更新回数が15回であれば(15)となるわけです。

この更新番号、不動産会社を選ぶ際には気にする必要があります。

■更新回数が多い不動産会社の方が安心なのか

更新回数が多く、更新番号が大きい不動産会社は、「歴史と経験があり、信頼できる会社」だと思われるかもしれません。

たしかに歴史や経験はあるでしょう。

しかし、更新番号が大きな会社が、必ずしも取扱い件数の多い大手の不動産会社だとは限りません。

更新番号が大きいということは、単に更新回数が多いだけの話であり、必ずしも取引において信頼おける、安心できる会社であるということにはならないのです。

■賃貸物件なら更新番号が小さい会社にすべし

不動産売買であれば、歴史があって取引経験も多い、更新番号の大きな不動産会社の方が信頼され取引されやすい傾向にあります。しかし賃貸物件については、更新番号の小さな不動産会社を選んだ方がよい場合もあります。

なぜなら更新番号の小さい、つまり歴史の浅い不動産会社のほうが、「賃貸物件を探すお客さん目線になって探してくれる」からです。

更新番号の大きな歴史ある不動産会社は、物件オーナーさん寄りの立ち位置にあり、長年オーナーさんとの関係性を重視している傾向があるのです。昔ながらの老舗不動産会社だから、更新回数が多くなっているケースが多いわけです。

対して更新番号の小さい不動産会社は、更新回数が少ないため、取引経験は少なめ。しかし経験が少ないぶん、古くからオーナーさんとつながっているという場合はほとんどありません。

ですからオーナーさん目線ではなく、入居者目線で考えてくれる傾向があるのです。

また、古くからオーナーさんとつながっている更新番号の大きな不動産会社は、物件を管理することによりオーナーさんから管理委託手数料をもらえます。

しかし更新番号の小さな不動産会社は、物件管理をしていない以上、管理委託手数料はもらえません。

そのため入居者目線になり、積極的に契約を決めていった方が利益になるのです。いってみれば、入居者の立場を重視してがんばってくれるわけです。

つまり、更新番号の大きな不動産会社と小さな不動産会社では、キャッシュポイントが違うということ。

そこで、賃貸に限ったことではありますが、物件を探すときは更新番号の小さな不動産会社を選んだほうが、入居者にとってはメリットがあるということを頭の片隅に入れておいてください。

それだけでも、きっと役に立ちますよ。

(文/根本愛)