(C)中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会

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 タナダユキ監督、上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也主演の映画「お父さんと伊藤さん」が2016年10月8日(土)に公開される。

 同作では、「陽だまりの彼女」以来4年ぶりの主演作となる上野が、日々の暮らしを大切に生きる等身大の女性・彩(34歳)を好演。そんな彩の20歳年上の彼氏で、給食センターに勤める謎の男“伊藤さん”をリリー・フランキー、頑固ながらも愛くるしい一面を持つ“お父さん”に、『龍三と七人の子分たち』で絶大な存在感をみせつけた藤竜也といった豪華キャストが実現。実力派俳優たちが2DKのアパートで共同生活をする様は、おかしな会話の連続でありながらも、時に涙を誘う展開へと発展していく。

 原作は、作家の石田衣良に「台詞の上手さは出色」、角田光代に「思わず家とは何かを考えさせられた」と満場一致でうならせ「小説現代長編新人賞」を受賞した、中澤日菜子による家族小説。映画の試写を見た同氏は奇妙な期待感を抱いているようだ。コメントが届いたのでさっそく紹介しよう。

書いているときも「よくモノを食べる小説になっちゃったなあ」と思っていた。試写を見たらスクリーンのなかでも主人公の彩はじめお父さんも伊藤さんもそれはいろんなものを食べていた。「食べることは生であり業である」と映画を見て改めて感じる。揚げたてのとんかつをみなで囲む夕餉、一人かき込むコンビニ弁当、相手の目を見ないで食べる親子の朝食─そのどれにも背景が歴史がそして「そうせざるを得ない」理由がある。そのありようを描くのがきっと小説や映画の仕事なのだろう。そんな理屈抜きにしても「美味しい映画」になったなあと感服する。鑑賞したあとに、きっとご飯が食べたくなる映画。そのときあなたはひとりだろうか。それとも友人や家族や恋人がそばにいて、いっしょに食事をしているのだろうか。映画を見たあとに、映画をみたひとを見てみたい。なにをどこで誰と食べるのか、こっそり見てみたい。そんな奇妙な妄想をいまわたしはふくらませている。
中澤日菜子

■映画「お父さんと伊藤さん」
2016年10月8日(土)より新宿バルト9他全国ロードショー
出演:上野樹里、リリー・フランキー、長谷川朝晴、安藤聖、渡辺えり、藤竜也
原作:中澤日菜子『お父さんと伊藤さん』
脚本:黒沢久子
監督:タナダユキ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
企画協力:講談社「小説現代」
制作プロダクション:ステアウェイ オフィスアッシュ
企画・製作・配給:ファントム・フィルム

「この家に住む!生活費は自分で払う!」息子夫婦の家を追い出されたお父さんが選んだのは… 娘の彩と20歳年上(!)の彼氏・伊藤さんが同棲するアパート。3人の奇妙な共同生活は、嵐のように、突然始まった―。すれちがう3人の心。やがて訪れる別れの朝。その時彼らが選んだ未来とは―?

 とんかつにかけるソースの味をめぐり激論を交わす夕食。うすい壁一枚で仕切られた隣の部屋にいるお父さんの存在にあたふたする深夜0時。そして、お父さんと伊藤さんの間に不思議な友情が芽生えていく日曜日の午後…。毎日のちょっぴりおかしなハプニングを経て、3人がひとつの家族のようになりかけてきた矢先…「しばらくでかける」情けない文字で書かれた置き手紙がひらりと一枚机に置かれ、お父さんが突然行方不明に。すれ違う3人の心が通じ合う日は、果たして訪れるのか―?そして、お父さんが彩たちの家に来た、本当の意味とは―!?