軽蔑のまなざしにならないように、くれぐれも気をつけましょう

今回の質問は、IT関連会社に勤める田辺のぞみさん(仮名・34歳)から。

「一緒に営業に回っている後輩男性のビジネスマナーがなっていません。先日も、カフェで打ち合わせをしたのですが、率先してソファ席に座ってしまい、クライアントが苦笑いしていました。会話もなっていなくて、“田辺さんもおっしゃっていましたが……”など、私に敬語を使ったりするんです。その場で指摘するのもどうかと思って黙ってはいるんですが、先方に失礼なので困っています。どう言ってやれば適切なんでしょうか」

鈴木真理子先生に答えていただきます

後輩のマナー不足は恥をかかせずに注意する

ビジネスマナーに無頓着な男性、困ったものです。マナーは学歴や偏差値は関係ありません。単に知っているかどうか、行動に移せるかどうかです。女性の後輩には、同性のよしみでお姉さんらしく指摘してあげてもよいのですが、こと、男性はプライドが高い。言葉を選ばずに指摘してしまうと、あなたにバカにされたと感じて、壁をつくってしまう場合もあります。

ミスの注意はその場で行なう、というのはビジネスの基本ですが、ビジネスマナーに関してだけは別。彼に恥をかかせないよう、あとでこっそり、やんわりと伝えるのがマナーです。

先方への謝罪は業務メールの末尾で

クライアントやお客様に失礼があった場合には、彼の指導役である、あなたが先方に謝罪するのがマナーです。上座下座を間違える、敬語の使い方がなっていない、というビジネスマナー不足の謝罪の場合、わざわざ電話などをする必要はありません。メールでOKです。また、その要件だけにメールを送るのはかえって相手に返事の手間を与えてしまうので迷惑です。次に送る業務のやり取りのメールの末尾に謝罪文を添えましょう。

ビジネスマナーの謝罪に具体的な内容は必要なし

謝罪文をメール末尾に書くときには、「先日のお打合せの際、失礼がありました。お恥ずかしい限りです。管理不行き届きを反省しております。今後はこのようなことがないよう指導してまいります。なにとぞご容赦くださいませ」など、指導役としてのあなた自身の謝罪として書きます。マナー不足の場合は、「申し訳ありません」よりも、「お恥ずかしい限りです」を使うほうがエレガントです。なんでもかんでも「申し訳ありません」では、芸がなさすぎますし、薄っぺらく感じられてしまいます。また、何をしたのか、具体的な内容まで詳細に書く必要はありません。今後どうするのかが明記されていることが大切です。

本人の謝罪も“ついで”で

あなたが謝罪文をつけた業務メールには、本人へCC、あるいはBCCを入れておくといいでしょう。ただし、本人にも「相手が返事をする手間をとらせてしまうから、謝罪メールを送らないように」と指導が必要です。本人も、メールを送る用事がある場合には文末を利用して謝罪文を書くか、次回、直接お会いする際に、もし、その内容が話題に上がった場合に「前回、失礼があり、申し訳ありませんでした」と言えばOKです。もちろん、二度と起こらないよう、ビジネスマナーの書籍などを読み込ませておくことも大切です。誤っただけで同じことをするようでは、みっともなさの上塗りになりますし、謝罪も言葉だけであれば全く意味がありません。

あなたの行動でビジネスマナーを教えるのも手

それでもわからない男性には、たとえば、あなたが先にお店に入り、自分が下座の席に荷物をおいて、「●●さん(クライアントやお客様)、どうぞ奥へお願いいたします」など、うながしましょう。言葉遣いについては、彼が間違ったものいいをしたときに、さりげなく、正しい言葉遣いで言い直すのもおすすめです。“内容を強調、念押しする意味合いを込めていると”いう雰囲気が出せれば、本人のプライドも守れます。「私も敬語があやふやになることがあるけど、一緒に勉強していこう」という気持ちで接すると、あなたと後輩男性の関係も良好を保てるはずです。



■賢人のまとめ
知らないことを責めたりバカにしたりするのは逆効果。一緒に勉強していこうという姿勢が大切

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『もう必要以上に仕事しない!時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部に迫るヒットとなる。 

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