2016年9月1日、東京・神保町にオープンした「眞踏(まふみ)珈琲店」。珈琲と本が売りの喫茶店だ。


眞踏珈琲店

開店から間もない同店だが、一躍名を馳せる出来事があった。

きっかけはこの一連のツイート。水出し珈琲の抽出機器が並ぶ姿が美しい。

ところが、

オープン早々、お店のスタッフが割ってしまったそう。「出費ィィィィィイイイイイイイッッッ!!!ツライィィィィィイイイイイイイッッッ!!!」と心の叫びが聞こえる。

この豹変ぶりに驚く人も多く注目が集まったが、実はこれが平常通り。興味を持ったJタウンネット編集部記者は、お店を取材することにした。

なぜ叫んでいるのだァァァァァアアアアアアアアッッッ!!!???

取材に応じてくれたのは、眞踏珈琲店のマスター・大山まふみさん。

「基本的には珈琲を主体にしています。ただ、『おいしいコーヒー、気さくなマスター、雰囲気の良いお店』に加えてプラス1何かが欲しいと思っていて。本が好きなんで、本にしようって。神保町なのも、本好きとして。実はあんまり珈琲を主体とした個人経営のブックカフェがないんですよ」

こだわりは本棚で隠したトイレ。注意して見なければ、どこにあるのかわからない。

「『007』みたいで楽しいじゃないですか」

というように、まるで物語の世界のようだ。天井まである本棚には大山さんの蔵書が並んでおり、貸し出しも行っている。


本がずらり

ツイートの投稿をしているのもマスターの大山さん。2016年9月12日現在、フォロワーは9000人以上いる。やはりツイッターの反響は大きいようで、お客さんの来店にもつながっているという。

お店は自家焙煎した珈琲豆をネルドリップで淹れる王道スタイルの珈琲店だが、水出し珈琲ツイートの影響で、来店するお客さんの6、7割がアイスコーヒーを注文するそう。ツイートにもあるとおり、お湯で淹れるものと比べ酸化しづらく、香りが残るのが特徴だ。


ネルドリップで淹れた珈琲

割ってしまったスタッフのおかげ(?)で、宣伝効果は大きい。

反響について、大山さんは

「びっくりしましたね。フォロワーも一瞬で増えて。(10日の)広島カープのツイートは1分以内に80リツイートされました。ツイッターきっかけで、新しいお客さんも来てくださってありがたいです」

と語った。さらに、話題になった理由について

「水出し珈琲の機器を割られてしまったツイートをきっかけに、テンションの差が注目されたんじゃないですかね。水出し珈琲に関して真面目に説明したあとに叫んだのが面白かったんだと思います。『眞踏珈琲店の人が壊れた』と思ったら、実は『最初から壊れていた』って」

と考察した。

通常ツイッターは「全レス仕様」だが、あまりのコメントの多さに水出し珈琲の時はあきらめざるを得なかったという。全レスは正直大変で、

「地獄ですよ(笑)。レスを返すのに毎日夜中の2時とかまでかかるんで。なんでやっているかというと、給料を払うためでしょうね。もし一人だったらツイッターはやらないです」

と告白した。


階段脇にも本棚

ツイッターを始めたのは2年以上前、当時勤めていた南青山の「蔦珈琲店」での修業時代にさかのぼる。

「師匠には『雇うほど売り上げがないから』と修業を断られたんですけど、『売り上げを上げるからやらせてくれ』とお願いしました。どうしたら売り上げが上げられるかを考えた結果、ツイッターで注目を浴びてみようと思って。1か月経ったくらいから叫ぶようになりました」

という。

叫びツイートの投稿は、同じボタンを何度も連打しているのかと思いきや、

「iPhoneの予測変換で出てくるようになっているんです」

とタネを明かしてくれた。

最後に、マスターから読者の皆さんへメッセージ。

「ンンンンンンンンンンホォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!♡♡♡」

雄叫びはツイッター上だけで、お店ではおいしい珈琲とマスターとの会話が楽しめる。