先頃ニューヨークで行われたPerfumeのライブは、現地のニューヨーカーが多数訪れ、満員御礼の大盛況。米国の邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人でメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者である郄橋克明さんは、そのPerfumeのNYライブを訪れた際に感じた日本のポップカルチャーについて自身のメルマガで綴っています。高橋さんは、BABYMETALやきゃりーぱみゅぱみゅなど日本の人気アーティストがニューヨーカーたちに支持されているにも関わらず、他の日本のカルチャーは一部の「OTAKU」にしか認知されておらず、「政府の日本カルチャーのアピール方法に問題があるのでは?」と疑問を呈しています。

本当の意味で世界を COOL JAPAN で魅了するためには

本日、あのPerfumeのNYコンサートに行ってきました。

ここにきて、Perfume、BABYMETAL、きゃりーぱみゅぱみゅの北米御三家(← 勝手に僕が命名)は、本当にこの国で市民権を獲得したのだな、と実感します。

もちろん日本人の姿もチラホラ見えましたが、基本、現地のニューヨーカーで占めています。 そして、日本語で曲に合わせてアメリカ人も大合唱です。

完コピしているニューヨーカーを見て、確信しました。

すべてはYouTubeです。

日本のアーティストは、

やっぱり無料でPVを見せたくない事務所と、積極的にYouTube などで、露出する事務所に分かれます。

どっちがビジネス的に正解なのかは、その業界の人間でないのでわかりませんが、これから先、日本って小ちゃい国だけだと天井は見えている(あくまでビジネスマーケットに限っての話ですよ)

世界的に知られるには、YouTube ほど、いいツールはないのでは?とつい思ってしまいます。

特に、会場の超満員のアメリカ人が、日本語を大合唱する渦中に何度も実際にいた僕は、そう感じてしまいます。

あるひとつの芸能事務所が YouTube おっけー♪ という。

違う事務所が、うちはコンサート収益を狙うから、むやみにタダで露出しない、という。

どっちだとしても。 こんなレベルで言い争ってるうちは抜本的に、世界に本当の意味で、日本のポップカルチャーを広めることはなかなかキビシいんじゃないかと思います。

では、どこが積極的にするべきか。

間違いなく「国」です。 韓国も、フランスも、そしてインドもやってます。

数年前、経済産業省が「クールジャパン戦略」を展開しました。

世界に向けて、今の日本の文化を知ってもらうため、世界各国で行われる「ジャパン・エキスポ」に投資をしてそれなりの成果を上げたと聞きます。

でもね、海外に住んで、その「ジャパン・エキスポ」に10年以上、毎年取材している僕が言うので間違いないです。

「ジャパン・エキスポ」には、“OTAKU”しか来てません。

もともとジャパン大好きクン、しか参加してません。

その子たちは、当たり前ですが、きわめて「限られた人」たちなんです。 ほんの一握りの人たちなんです。

もちろん彼らの力も大きく、彼らのおかげでそのエキスポは成功している。 でも、多額の投資をして、来年ジャパン・エキスポを再度、開いても、また参加してくれるのは、彼らだよ。 同じメンツです。

本当の意味で「ブーム」というものは、それまでまったく関心ない人まで、情報が届く、ということが必要なはずです。

インドカリー好きな日本の友人がいるからって、インド人が「今、日本ではインドがブームだよ」とは言わない。

日本のメディアが騒ぐほど、マンガもアニメも、本当の意味では普及されていない。 やっぱり「マニア」のものなんです。

それでも、まだ「ジャパン・エキスポ」に向けて、一見が寄り付かない、「お得意様」の「マニアくん」に再訪してもらうために、多額の投資を日本政府はするのでしょうか。

コストパフォーマンス、悪すぎる!!

その様子をテレビで流せば、視聴者は海外で日本がブームと気持ちよくなることもできるでしょう。 経済通産省もほっと一息つけるかもしれません。 でも、そのテレビの画面に写ってる、ワンピースのコスプレをしている、その男の子はクラスの、いや、学年のたったひとりでしかないんです。

もちろんアメリカという国の規模を考えれば、学年にひとりでも、数字的には成功かもしれません。

でも、もっともっと増やすことも可能だと思います。

それが前述したYouTubeではないかなと思います。 政府がYouTube を直接関与するのが、現実的でないならば( 確かに職員がユーチューバーみたいに、必死で動画アップする姿はなんかいやだ)そういった動画配信コンテンツに積極的に資金援助をするべきではないかなと思います。 誰が来るかわかんないエキスポに多額の資金を投入するより、全然効率的かと思います。

だって、今までまったく興味ない人に届ける為には、芸能事務所一社の力では到底無理だもの!! 逆にいうと、コアなマニアは芸能事務所どころか、個人でUPしたものまで探し出してくれます。 つまり、言葉は悪いですが、コアなマニアはもうほっておけばいい。 どんな小さなコンテンツだろうが、恐ろしいほどの検索力でちゃっかり、見つけ出してくれます。 むしろ彼らは、誰もがアクセス出来る情報より、よりニッチな情報の方が嬉しかったりします。 それをプライドをかけて探し出しては、友達に自慢したはずです。

つまりは、多少放置しても、日本マニアでいてくれます。

問題は、「COOL JAPAN ? ナニ、ソレ?」っていう大多数のマーケットです。

この大多数のマーケットを獲得するには、圧倒的な情報量が必要です。 民間の企業では手に負えないほどの量です。

なので、政府がするしかない。 もうやってるけど。 でも今のようなクールジャパンプロジェクトを直ちにヤメ、ネット上で本格的に始動するしかないと思います。

「ネットだって、結局は好きな人間しか検索しないだろう」

「それだって、マニア向けのエキスポと変わらないじゃないか」

そう言われるかもしれません。 確かにそうかもしれません。

ただ、実数が変わってくる。 桁が違ってくる。 それに今回の課題は「実数」が焦点だと思います。 より多くのアメリカ人に情報を届かせるには、敷居は低い方がいい。 コスプレして、わざわざ会場まで来てください。 いや、行かねえよ。 PCの前で、ネットサーフィン中、見てくれればいい。

先日、日本からのお客さんに面白い話を聞きました。 面白いクイズです。

「日本のウーロン茶で、どこのメーカーがいちばん売れてると思う?」

ウーロン茶と言えば、サントリー?

- 違う。

じゃあ、アサヒ?

- ハズレ。

え? サントリーでもアサヒでもないの? じゃあ、、あ!伊藤園!!

ー 不正解。

え、、、どこ?てか他にウーロン茶を缶で出してる会社あったっけ。 。

正解はコカコーラボトリングのウーロン茶だそうです。

え?コーラの?あった?ウーロン茶。それくらいの認識でした。

つまりは自動販売機の絶対数が多いからだそうです。 結局、ウーロン茶を購入する際、いちいち会社名で選ばない。 イメージとしては、サントリーやアサヒの方が強くても、サントリーやアサヒじゃなきゃウーロン茶は飲まない!という人は少ない。 どこのメーカーだろうが、ウーロン茶はウーロン茶。 近くの自販機で買えばいい。 であれば、近くの自販機は、やっぱりコーラ社のが多い。

マーケットってつまるところそういうことだと思います。

ネットサーフィンをしている人間が、それがどこの国のコンテンツかわからなくても、あるいは、どこでもよくても、目に触れさせなきゃいけない。 そのくらいの絶対量が必要になってくる。

日本には最強のコンテンツのラインナップがあります。

映画、小説、アニメ、マンガ、演劇、音楽、ダンスーーー。

これらすべてに、日本政府が関与して、付け焼き刃ではない、本格的な英語の(←ここ需要。 アメリカに合わせる必要があるから「英語じゃなきゃダメ」なんかじゃなく、世界に合わせる必要があるから、世界共通語の「英語じゃなきゃダメ」なんです)ナレーション、字幕スーパーをくっつけた、クオリティー高い動画コンテンツを、世界の人が自由に無料で見れるようになったら。 。

考えただけでワクワクしませんか。

果たして、それは非現実でしょうか。

アメリカは、かつてハリウッドでそれを実現しました。 世界戦略です。 いまは、ネットフリックスでやってます。

あとは “広げ方” だ。

世界中の人間が iPhone 片手にピカチュウを探してる今、コンテンツに関しては、堂々と、世界ナンバー1だと誇れるはずです。

image by: Shutterstock

 

『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 より一部抜粋

著者/高橋克明

全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる

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出典元:まぐまぐニュース!