VRの活用で幻肢が痛む「ファントムペイン」を和らげることに成功

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現実にはないのに、あるかのように体験できるバーチャルリアリティは、さまざまな分野での活躍が期待されています。東京大学医学部属病院緩和ケア診療部の住谷昌彦准教授の研究グループが、バーチャルリアリティ技術を活用することで幻肢痛が和らぐことを発表しました。

■ 幻肢と幻肢痛とは

幻肢とは、手足などの切断によって感覚を失われたにもかかわらず、手足が存在するかのように錯覚してしまうことです。そして、その幻肢が痛む現象を幻肢痛と呼びます。また、幻肢と幻肢痛は神経傷害や脊髄損傷などによって、手足の感覚と運動が麻痺した場合にも現れることが判明しており、さまざまな原因で発生する慢性的な痛みです。しかしながら、十分な治療法はまだ確立されておりません。

■ バーチャルリアリティで幻肢痛を和らげる

今回の住谷昌彦准教授の研究グループは幻肢痛をバーチャルリアリティシステムを使うことで改善されるかの検証を行いました。研究のために開発されたバーチャルリアリティシステムは、痛みのないほうの手足が運動している様子を記録させ、左右反転させた映像を患者さんが装着したヘッドマウントディスプレイに映し出すというものです。映し出された映像を見ながら痛みのない手足を動かすことで、自分で幻肢を動かしているような体験ができます。その結果、幻肢痛が和らぐことが分かりました。

■ 体験を届けるテクノロジー

バーチャルリアリティは今回の幻肢痛の痛み軽減以外にも、医療分野で活用が始まっています。例えば、PTSDの克服・緩和させるためにあえて患者さんに恐怖体験をさせたり、人命救助のトレーニングに用いられたりと、多くの場面でバーチャルリアリティが使用されているのです。バーチャルリアリティの発展により、医療がどのように変わるのか期待しましょう。

(image by amanaimages)
(著:nanapiユーザー・のこりうどん 編集:nanapi編集部)