虫も金持ちが大好き

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虫の嫌いな人にはそれこそ虫酸(むしず)が走る話題だが、虫も裕福な生活を好むのか、ビンボーな家より金持ちの家の方にたくさん生息していることがわかった。

米カリフォルニア科学アカデミー会員の昆虫学者、ミーシャ・レオン博士のグループが研究をまとめ、生物学専門誌「バイオ・レターズ」(電子版)の2016年8月2日号に発表した。

裕福な家の中には2倍の種類の虫が住んでいる

植物の世界でも、高収入の人が多い地域の植生は、低収入の人が多い地域より種類が豊富で多様性に富んでいることが、2013年の研究で明らかにされた。また、ニューヨークなどの大都会では虫が驚くほど増え、公園や道路に捨てられた食べ物やゴミの処理に役立っているという研究も2014年に発表された。

そこで、レオン博士らは「家の中のぜいたく度」と「虫の多様性」を調べるため、米ノースカロライナ州の州都ローリーで、地域の経済状況を反映する50軒の家を無作為に選び、屋内にいる節足動物(昆虫・クモ・ダニ・ムカデ類など)を採取した。その結果、家の大きさを考慮し単位面積あたりで比較すると、裕福な家では約100種類、裕福ではない家では約50種類の節足動物が見つかったという。

むしろ、裕福な人の方が屋内をきれいに片付けているケースが多いのに、なぜ虫が多いのだろうか。ナショナル・ジオグラフィックの取材に対し、レオン博士はここう語っている。

「はっきりいって理由はわかりません。唯一考えられる原因は、豊かな家ほど庭が広く、植物が多様だから昆虫も多いことです。完璧にきれいに見える家の中でも、実はたくさんの虫がひそんでいるものです。でも、心配はいりません。彼らのほとんどは無害な存在です」