「そして、誰もいなくなった」
(日曜よる10時30分/日本テレビ/脚本:秦建日子 演出:佐藤東弥 出演:藤原竜也 玉山鉄二 二階堂ふみ 伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)ほか)


最後まで怒濤の展開でした。

最終回がはじまるなり、いきなり、

告白します。

って、お母さん万紀子(黒木瞳)が激白をはじめちゃって・・・。

「悪いのは全部私なの」と言うお母さん。なんの罪もない弥生(おのののか)を殺し、ついには息子・新一(藤原竜也)に刃を・・・
いや、脚が不自由なんだから無理でしょ、それ。

案の定、息子を殺すことはできず、そこからすべての謎が明かされます。

お母さんが新一のお父さんと結婚する前に、子どもを養子に出していて、それが日下瑛治(伊野尾慧〈Hey! Say! JUMP〉)。
新一に母を奪われ孤独を味わった瑛治の怨みの深さは、同情の余地ありまくりだし、新一がひとを簡単に信用しがちなことを指摘した場面では、完全に瑛治派にまわりそうになってしまいました。

お母さんもどうかしていて、実の子と血の繋がってない子との間でぐらぐらになった結果、
「(新一のこと)あなたのせいよあなたがわたしにやさしいから」とわけわかんないことを言い出し、
「ひどい理屈だよね 理論的整合性が全然とれてないよ」と瑛治にツッコまれます。
ちゃんとツッコみさえすれば、登場人物がなにやっても言っても話は成立するという、ストーリー作りのいい見本を見せていただきました。
もともと、ちょっとミステリアスで無邪気な美青年ぽさが感じよかった瑛治が、ここへきて、最も整合性のとれた人物として存在します。
でも、善意のひとが意外と他者を傷つけていて、冷静なひとが悪になってしまう人間の難しさを「そし誰」はさりげなく描き出します。

友情や絆を信じたい新一をせせら笑う瑛治を殺そうとして殺せない新一。
「暗闇に逃げ込むのは簡単で 正しく生きることは難しい
ひとを憎むことは簡単で ゆるすことは難しい」

それでも難しい道を選ぼうとする新一を殺そうとする瑛治をおかあさんが刺し、瑛治もまたお母さんを刺しちゃう。
こんな地獄のような状況でも「え」と発する新一。1〜9話まで全部で何回「え」と言ったかもう数えるの放棄しました。

ギリシャ悲劇なみの実の母子の血の惨劇を観ながら、あれ、やっぱり、二階堂ふみとはバトルがないのかあ、と思っていると、早苗(二階堂ふみ)は最後まで、新一を守ろうとする存在でした。

やがて、警察に連行される新一。現場にはお母さんの遺体しかなくて、瑛治シャツがそっとかけられていただけ。

「きっとどこかで野良猫のようにひとり寂しく死んでいるのかもしれない」(新一)
最後まで瑛治の印象をよくしようという努力を感じさせる台詞。

「え」って言った瞬間に、みんな生き返ってきて、新一を試したんだってことになるかと思ったら、
ほんとうにほとんど死んでいました。

こうして、藤堂新一としてふつうの生活が戻ってきたものの、これだけたくさん周囲のひとが死んじゃうと、藤堂夫婦のメンタルが心配です。トラウマになりますよね、ぜったい。

とはいえ毎回ハラハラドキドキ楽しめました。
(木俣冬)