えっ、マジで?赤ちゃんでも社長になれることが判明!

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会社の顔である「社長」は、バリっとスーツを着こなして、お金もあって、偉い人…。そんなイメージがありますが、なんと誰でもなれるってご存知でしたでしょうか?そう、例えば、赤ちゃんであっても、社長になれるのです!法律的にどう解釈されるのか、アディーレ法律事務所の吉岡一誠(よしおか いっせい)先生に伺いました。

■ そもそも「社長」とはどういう意味?

「社長」という役職は、そもそもどういったことを表しているのでしょうか?似ている言葉として「代表取締役」がありますが、比較することで分かりやすくなるので、確認していきましょう。

◎ 「代表取締役」とは?

株式会社であれば、資金を提供する「株主」がいます。その「株主」が会社経営をする人たちである「取締役」を選ぶわけです。そして、取締役の中で代表者になるのが「代表取締役」です。

◎ 「社長」とは?

一方、「社長」という役職は、法律に規定があるものではありません。社内の内規で定めることができ、第三者に対して、会社を代表しているということになります。

> 吉岡先生「社長という役職は法律に規定されておらず、民間企業において事実上用いられているだけになります」

■ 赤ちゃんでも「社長」になれる!

社長は誰でもなれると言えるわけで、赤ちゃんでも「社長」という役職に就くことはできます。ただし「社長」という役職は、一般的には「代表取締役」が就くことがほとんどで、「代表取締役」には赤ちゃんはなれません。会社の役員になるためには、法律上、「意思能力(自己の行為の結果を弁識できる能力)」というものが必要だからです。一般的に意思能力が備わるのは7歳〜10歳程度と考えられています。意思能力の有無の判断にあたっては、行為の内容も考慮されます。高度な判断が必要な会社役員の場合、10歳を超えていても意思能力がないとみなされてしまうこともあります。ただし、取締役会が設置されている会社では、代表取締役の印鑑証明書の提出だけで足りるため、10歳以上で取締役になれる可能性はあります。

> 吉岡先生「取締役会を設置しない会社の場合は、年齢のハードルが上がります。取締役になる者の印鑑証明書が必要になり、印鑑証明書を取得するための印鑑登録は15歳以上の者でなければできないので、15歳未満だと取締役になれません」

■ 現実の最年少での社長は?

世界の事例としては、7歳や8歳で社長となっていることもあるようです。日本だと、米山維斗氏が最年少社長と言われています。彼は小学校6年生の時に、元素記号を用いたカードゲームを考案し、父親を代表取締役としてケミストリー・クエスト株式会社を設立。自らは社長となりました。

> 吉岡先生「米山氏は印鑑登録ができる年齢の15歳になって、同社の代表取締役に就任しています」

■ 在職のまま、あこがれの社長に就任!?

誰でも社長になれるとすると、現在会社員であっても、別の会社の社長になれるのでしょうか?これは法律上は可能。私企業の従業員については、法律で兼業が禁止されているということはないそうです。しかしながら、就業規則において、兼業禁止規定や競業禁止規定が置かれていることは少なくありません。したがって、在職中に別会社の社長となった場合に、在職中の会社から懲戒処分を受ける可能性はあります。もっとも、従業員は、会社との間の労働契約により、1日のうちの一定の時間、労務に服する義務を負うものの、就業時間外は本来自由な時間と考えられています。よって、別会社の社長になったとしても、そのことにより会社の企業秩序に影響がなく、会社に対する労務の提供に特段の支障が生じないという場合は、会社は懲戒処分をすることはできないでしょう。

> 吉岡先生「国家公務員法や地方公務員法で原則として兼業が禁止されている公務員は、在職のまま別企業の社長にはなれません」

■ 赤ちゃんだけではなく、ペットも社長になれる

結論的には赤ちゃんは「代表取締役」にはなれませんが、「社長」にはなれるということになります。犬や猫などペットを「社長」にする企業もありますが、「社長」については法律に規定がないから成り立っているというわけです。あくまで肩書きだけということになりますが、赤ちゃんやペットが社長の会社を想像すると、ちょっと愉快な気分になりますね。法律的な知識としてご参考にしてみてください。

◎ 取材協力

アディーレ法律事務所・吉岡 一誠(よしおか いっせい)先生:

弁護士(東京弁護士会所属)。関西学院大学法学部卒業、甲南大学法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。友人がとても困っているのに、相談に乗ることしかできない自分自身に憤りを覚え、弁護士になることを決意。現在は悩んでいる方のために、慰謝料問題や借金問題などを解決すべく、日々奔走している。

(image by PAKUTASO)
(著&編集:nanapi編集部)