フリマアプリ界で一人勝ち状態のメルカリ(公式HPより)

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 スマートフォンから手軽に商品を出品できる「フリマアプリ」の利用者が拡大している。これまで個人間取引(CtoC)サービスといえば、「ヤフオク!」(Yahoo! JAPAN)をはじめとするネットオークションが一般的だった。

 ネットオークションとの決定的な違いは、オークション形式ではなく出品者が指定した固定価格で取引できる点だ。現在は、日米合計4000万ダウンロード(2016年6月時点)を突破した「メルカリ」が国内フリマアプリで最大利用者数を誇り、一人勝ち状態となっている。

 このほか、いち早くスマホ向けフリマアプリをリリースしたFablicの「FRIL」や、楽天の「ラクマ」、スタートトゥデイの「ZOZOフリマ」など、多くの企業がフリマアプリに参入している状況だ。

 フリマアプリはなぜ隆盛を誇っているのか。IT系企業のアプリ開発担当者は、以下のように分析する。

「フリマアプリは『スマホがあれば、そんなにITリテラシーが高くなくても、簡単に出品できて小遣い稼ぎができる』という点が最大の強み。ネットオークションの場合、ある程度のPCスキルが必要となりますが、スマホ向けアプリはそれが不要なところが大きいでしょう。

 クラウドソーシング(不特定多数の人に業務を委託する雇用形態)を見ても分かりますが、たとえ時給300円であっても子育ての合間に働きたいという人がたくさんいます。ちょっと空いた時間で小遣い稼ぎをしたいというニーズは確実に存在するのです。

 例えば、メルカリの出品価格のラインナップを見ると、どれも単価が非常に安い。300円で中古コスメを出品し、10%の手数料を持って行かれ、自分で発送する手間があるにもかかわらず、売りたいと思う人がいる。そういった『世間』の感覚をしっかりと捉えた点がフリマアプリ隆盛の理由でしょう」

 フリマアプリの現状を見ると、「メルカリ」が圧倒的に多くのユーザーを掴んでいる。その背景には「デザイン」面の秘密もあるようだ。Webデザイナーが語る。

「メルカリが成功した理由として考えられるのは、あえて『カッコいいデザイン』や『カッコいいサービス』を目指さなかった点だと思います。メルカリを見ると、ベースのデザインが大衆的であるだけでなく、出品者が自宅の床で撮った適当な写真が無数に並んでいます。そういった“素人っぽい”デザインやムードが、『私でも手軽に出品できそうだ』と思わせるのではないでしょうか。

 一方で、すでにフリマアプリから撤退したLINEの『LINE MALL』は、素人だけでなく業者も出品していたため、プロ仕様のキレイなプロダクト写真が並んでいました。それが結果として、素人の出品への障壁を上げてしまったのではないか、と分析できます。

 また、早くからリリースしていたフリマアプリ『FRIL』は、デザインを10〜20代女性向けに作っていたので、主婦層や男性ユーザーの中にはとっつきにくいと感じた人もいるかもしれません。後発のメルカリにダウンロード数が追い抜かれた背景には、そうした面も影響しているのかもしれません」

 まだまだユーザー数は拡大中のスマホ向けフリマアプリ。手軽に出品できるシステムにくわえ、男女問わず幅広い世代を獲得できる工夫も成功の秘訣のようだ。