親からの長期にわたる愛情不足によって起こる「愛着障害」。

子どもに疑わしい様子が見られた場合、家族や周りの人たちはどのように向き合っていけばよいのだろうか。

「これまでの育児を振り返ってみて『この子は親に全然甘えてこなかったな』と思ったら、小さなトラブルを親子で一緒に丁寧に乗り切ってあげることが大切です」

こう話すのは、淀屋橋心理療法センター所長の福田俊一先生。

親からの愛着の問題は、不登校や摂食障害など、大きな問題があらわれたときに、それを乗り越えにくくさせる「壁」として見えてくることが多いそう。

しかし、「先生に怒られてシュンとしている」「元気がなく、なんとなく沈んでいる」など、日頃から子どもが小さくつまずいたときに「どうしたの?」と聞いてあげたり、話し合ってみたりすることでも、症状の悪化を防ぎ、改善させることにつながる。

●甘える、赤ちゃん返りする…親子関係改善のチャンス!

また、「愛着障害」の子によく見られる言動として、「親に急に甘えてくる」「急に自分のことをよく話すようになった」などがあるそう。さらに、「急に赤ちゃん返りする」ケースもあるという。

「例えば、いつもキツイ言葉をお母さんにかけていた子が、なぜか『お母さん、一緒にお風呂に入ろう』とか『一緒に寝よう』と言い出すことがあります。これは子どもの愛着障害を、そして親子関係のギクシャクを改善するチャンスでもあります」

少々子どもっぽいと思うことでも、丁寧に付き合ってあげ、受け入れてあげると、急激に素直になる子も多いそう。

「ただし、話をしようとしても長期にわたって受け入れない状況が続いたり、解決したと思ったら、全く別の方向に話が進んでいたり、甘えてくる一方で攻撃的であるなど、二面性が出てきたりする場合もあります。そうした場合は、専門家のカウンセリングなどを受けるのも良いかと思います」

成長した後も、人間関係を築いていく上で「壁」として立ちはだかる「愛着障害」。しかし、「親にやたらと甘えてくる」などのSOSをきちんとつかまえ、対応できれば、それが問題解決の糸口になり、親子の絆が強まるきっかけにもなる。

子どもの愛着の問題が見えてきたときは、「チャンス」を逃さず、じっくり子どもと向き合いたいものだ。

(田幸和歌子+ノオト)