優先席付近では携帯電話を使わない方がいい、そんな「マナー」を今も守っている人もいるだろう。ペースメーカー利用者への配慮のためだ。

画像はイメージです(Tatsuo Yamashitaさん撮影、Flickrより)

しかし、実はペースメーカーに関しては古い物でない限り携帯電話の電波が誤作動に影響することはない、というのが、最近の通説である。昔の名残であるだけなのだ。

これに関して主は強い疑問を持ったらしい。コミュニティアプリ「アンサー」にそれをぶつける。だが、主の納得のいく説明はなかなか出ない。マナーであるからと言われたとしても、そこに明確な必要性がないのが主には我慢できないようだ。主のような考え方をする人は現代に多いだろう。

それでもそれを「モラルの低下」と言うのは一方的ではないか。理由を求める主たちのことも理解できる。マナーの本質とは何なのか、それがわかればきっと若者だって動いてくれると思うな。

「電車の優先席で携帯使ったらダメな理由教えて」

「電車の優先席で携帯使ったらダメな理由教えて 今のペースメーカーって携帯の電波影響しないんでしょ」

えっ!?そうなの?と筆者はびっくりしたのだが、あなたはどうだろうか。調べてみると、総務省なんかも「影響は少ない」という見解を以前から示しているらしい。昔は「電源オフに」と呼びかけていた鉄道会社も、最近では混雑時以外は利用OKにしているそうだ。知らなかった......。

2010年の写真。当時は混雑の有無にかかわらず、「携帯電話の電源をお切りください」と明記されている(Ryosuke Sekidoさん撮影、Flickrより)

主の問いかけに「昔のペースメーカー使ってるひとがいるかもしれないから」「目障りだからじゃない?」「ルールが古いから」とアンサー民はそれぞれの考えを返す。

実害がないにもかかわらず、「スマホやウォークマンを胸ポケに見つけただけで奪おうとする輩までいるらしい」「目障りだからせめて優先席付近ではいじるのやめてよ」とマナー違反だと怒ったり白い目で見ることが主に「ちゃんとした理由がないのにマナーって言われてもねぇ」と思わせるようだ。多くの人が主と同じように考えるのではないかという筆者の予想は独り善がりだろうか。

マナーの本質って何だろう。害のあるなしだけが重要じゃないんだぞ。

このマナーに関してアンサー民は「優先席に近づかないのが賢明かね」「もし優先席で使って誰かに文句言われても言い返せないよね それがマナーを守る理由になるんじゃない?」「電車乗るのやめて車乗ったら?他人も一緒に乗る乗り物じゃ自由にならない事が増えるの当たり前じゃん」という消極的な意見。でも、それじゃ納得できないよね。「モラルの低下」と決めつけられるのも心外だろう。

優先席の携帯にかかわらず、マナーの本質を考えるといいのではないかと思う。自分も含めてみんなが快適に、それがマナーのポイント。関係ないけど、ちなみに筆者はとりあえずがら空きじゃなかったら、電車では席に座らないよ。他人から見たらただの馬鹿かもしれないね(笑)。(ライター:ファエマ)