ひと目でわかる!相続税がかかる財産&かからない財産

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人が亡くなると、物的にも人的にも、そして法的にも様々な精算が行われる。中でも物的、人的精算を生前の明確な意識があるうちに行ってしまおうというのが、昨今の「終活」にあたる。では、法的精算においては終活できないのだろうか。確かに精算と主とする権利・義務の発生は、死亡時に始めて開始される。しかし、そうした権利・義務を予め把握し、精算に負担や遅滞を及ぼさないように準備しておくことは可能である。そうした準備に向けて、「教えて!goo」には、「被相続人が死亡後に振り込まれたお金は?」と、相続に関する質問が寄せられている。

■手元の資産だけでなく、債権も課税対象!

質問は、被相続人の死亡から数日後に株式配当金が同人口座に振り込まれたとして、この配当金も相続税にかかるのだろうかと問うている。回答は、概ね相続税にかかるとするが、その説明には二通りあった。

「遺産分割協議にて、その株式を相続した人のものとなります。つまり、相続開始は被相続人の死亡時に遡って適用するものですから、そのときの口座残高と後に入金される配当と混同してはいけません」(watch-lotさん)

「『受け取るべき金額があったが、振込が遅れた』と考えればいいのです」(hata79さん)

しかし、この説明では株式債権自体が課税されるのか、それともこの場合はそこから生じた配当金に課税されるのかが曖昧である。そこで、配当金支払決定自体がいつなされたかで、両者の課税関係を判断するというコメントもあった。

「受取配当金が相続財産になるか、相続財産として株を取得した人に帰属するかで、課税関係が変わるわけですが、株式の配当支払決定はいつされたのかが判断基準になるべきではないでしょうか。受理つまり口座に入金された日によって、課税関係が変わってしまうのでは困ります」(hata79さん)

これらの回答から、相続税は相続人が所持していた債権とそれから派生する金銭にも課されるということ、また両者を区別する基準は、死亡時の口座残高ではなく、死亡時までにどのような支払決定がなされていたかにあると言えるだろう。

■見逃しがちな項目まで網羅!課税可否の財産一覧。

質問を通して、株式債権が相続税にかかるということはわかった。しかしこの他にも、保険や給付類など、現金や資産としてイマイチ把握しにくいものはどうだろうか。そこで相続税課税の分かれ目について、葬儀だけでなく相続の相談も受けているという心に残る家族葬の葬儀アドバイザーに解説していただいた。

「原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈により取得した場合に、その取得した財産に課税されます。簡単に纏めてみました。
(1)現金、預貯金、株式
(2)土地、土地の上に存する権利(借地権他)、家屋、倉庫、工場、店舗
(3)自動車、バイク、パソコン等の家電製品、宝石他貴金属、書画、骨董
(4)住宅ローンや自動車ローンの残債
注意して欲しいのは、ローンのようなマイナス(借金)分も相続税の課税対象となることです。但しマイナス分は、(1)から(3)までのプラスの財産から差し引かれます。次に、相続税の課税対象にならない財産について簡単に纏めてみました。
(1)墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚等の祭祀財産
(2)心身障碍者に対する年金を受給する権利
(3)相続により取得した生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分(生命保険料控除のこと)
(3)相続により受給した退職手当金等のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分(退職手当金等控除のこと)」

中でも、課税対象にならない(1)の祭祀財産については、当コラムでも節税対策として扱ってきた。しかしこの事について、アドバイザーは付言している。

「相続税の課税対象にならないもので特に注意してただきたいのは、(1)の墓地や墓石等の祭祀財産です。通常使用されるもので高価でないものは、非課税とされますが、税務署が常軌を逸したと見做し、祭祀財産であっても相続税が課税される場合があります。これまでの例では、純金製の仏像で、特に高価(特注で1000万円以上)だったものは、否認されて相続税が課税されたこともありました」

純金の仏像などはあまり考えられない事例ではあるが、昨今上がり続ける相続税に対して、今後うまく付き合っていくには、「終活」の一環としてもこうした知識をないがしろにすることはできないだろう。

●専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー
「葬儀の参列者を遺族や近親者など、本当に故人を亡くした悲しみを共有できる方だけに限定」し、「世間体を重視している感のある告別式を簡素化」する家族葬の提案を行う。

(樹木悠)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)