『一の悲劇』(法月綸太郎/祥伝社)

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 法月綸太郎の傑作ミステリー小説『一の悲劇』が、テレビドラマ『誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇』として制作され、2016年9月23日(金)に放送されることが明らかとなった。これには「あの本格ミステリーがドラマ化!? すごいすごい、見なくちゃ!」「懐かしの大作をドラマ化するとか、素晴らしい! かなり楽しみ!」と原作ファンから興奮の声が上がっている。

 法月綸太郎の作品は、深い人物描写や先の読めないストーリーの展開、誰にも思いつけない予想外のトリックが読者を魅了し、さらにキャラクターの人間関係やそこから生まれるドラマ性もファンに高く支持される理由となっているようだ。“人間はなぜ罪を犯してしまうのか?”“ごく平凡に暮らす人々が抱える隠された苦悩”などをテーマに物語を生み出す法月の作品は、ミステリーファンのみならず多くの読書好きに愛される。

 そんな法月のデビューは1988年に発表した『密閉教室』。物語は誰もいない教室に遺書を残して19歳の圭介が死んだところから始まる。窓にはカギが掛かり、ドアは目張りが。級友の順也が友の死の真相を突き止めたとき、青春という名の密室にたどり着く。23歳の処女作にして、二転三転する巧みなストーリー展開を描き切った同作には「主人公のピンチから一気に謎解きになだれ込むあたりは本当にドラマチック!」「ありきたりな青春ミステリーでなく、登場人物たちがドロドロとした汚さを持っているところがすごい」「処女作でこの練りこまれたトリック、才能の塊としか言いようがない」と絶賛の声が溢れた。

 法月はその後、1990年に発表した『頼子のために』で主人公の法月綸太郎が、愛娘を殺された父親の復讐劇の真相究明のため活躍する物語を描き、世間に確かな実力を見せつけた。また2002年に発表した短編『都市伝説パズル』では「第55回日本推理作家協会賞」を受賞、2005年には『生首に聞いてみろ』で「5回本格ミステリ大賞」を受賞するなど、推理小説界で唯一無二の才能を発揮している。

 そして法月作品ファンの間で特に名作と名高い1991年発表の『一の悲劇』は、同氏の作品ではお馴染みの法月綸太郎が登場。誤認誘拐によってある少年が殺されることから物語は始まる。犯人は山倉史郎の子供と間違えて、近隣に住む冨沢路子の子を誘拐し、殺してしまった。そして身代金の受け渡しに失敗した山倉は、路子に“私の子を殺したのはあなたよ!”と責められてしまう。そのうち容疑者として山倉の義弟・三浦の名前が上がるが、三浦には法月と一緒にいたというアリバイがあった。残酷な犯罪を誰が、何のために行ったのか? 法月が真相解明のために飛び回る――。

 骨太の誘拐推理小説に、読者からは「久しぶりの徹夜本! あれよあれよと引き込まれ、気づいたら夢中で読破してしまった!」「ラストのどんでん返しの連続と、死体移動の驚きのトリック…法月作品は毎回ワクワクしながら読むけど、これは中でも圧巻!」「ミステリーとしても面白いけど、人間ドラマとしても素晴らしい! 傑作とはこういう作品のことを言うんだと思った」とファンの心をわし掴みにした。法月ファン折り紙付きの同作は15万部を突破するという快挙を成し遂げ、20年以上たった現在でも新たなファンを取り込んでいる。

 そんな同作が「誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇」のタイトルでドラマ化されるのだが、主演のミステリー作家・法月綸太郎を演じるのはドラマ「鈴木先生」で鈴木先生役、現在大ヒット上映中の映画「シン・ゴジラ」で矢口蘭堂役を演じ、確かな演技力に定評がある長谷川博己。意外にも長谷川にとって本格サスペンスでの主演は初めてなのだが、原作ファンは「長谷川博己が一の悲劇主演とか、絶対見ごたえあるはず!」「いやったぁぁ〜、大好きな一の悲劇のドラマ化! しかも法月を長谷川博己とか否が応にも期待してしまう!」「この配役に隙なし! ドラマ化最高ぉぉぉ〜!」と大興奮の様子。

 出演について長谷川は「複雑な現代のトリックを生かしてより濃密にまとめられていて、素晴らしいと思いました」「しゃれたトリックがある作品です。現代が舞台ですが、レトロな魅力もある作風で、衣装や小道具などにもこだわっています。法月綸太郎作品の初めての映像化ですが原作を大切に制作されておりますので、原作ファンの方にも楽しんでいただけると思います」とファンの期待を煽っている。

 また、原作者の法月は、長谷川のキャスティングについて「長谷川博己さんが探偵・法月綸太郎を演じるというのは作家冥利に尽きるというか、こんなに恵まれた配役はありません」「共演陣の熱演と相まって、原作以上の法月綸太郎を見せてくれると思います」とコメントを寄せている。

 20年以上たった今も書店に平積みされ、多くの読者から支持され続けている『一の悲劇』。深い人間ドラマと予想のつかないストーリーに長谷川の熱演が加わり、傑作ドラマの誕生が期待できそうだ。

■TVドラマ「誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇」
放送日時:2016年9月23日(金) 21:00〜23:22
放送局:フジテレビ
原作:法月綸太郎
脚本:関えり香
出演者:長谷川博己、伊原剛志、富田靖子、矢田亜希子、モロ師岡、渡辺えり、奥田瑛二
演出:永山耕三
制作:フジテレビ