また膵臓がんは、まだ腫瘍が小さいうちから周囲に広がりやすく、最初から肝転移や肺転移した状態で発見されることも多いという。
 「その理由は、膵臓が他の内臓組織と複雑につながっていることが一因とされる。そのため、腕のいい医師が細心の注意を払って手術をしても、すべてのがん細胞を取り切ることは簡単ではない。そのため、手術後も再発予防の目的で、抗がん剤治療や放射線療法が行われているのです」(同)

 がんの転移は、血液の流れに乗ってがんが移動する「血行性転移」と、リンパ液に乗って移動する「リンパ行性転移」がある。膵臓の場合、臓器自体のサイズが小さいことと、周囲に太い血管が通っていることなどから、遠隔転移することの多いがんとも言われる。とくに、膵臓から出た血液が最初に向かう肝臓への移転が最も多いと見られている。
 「隣接している胃への転移も少なくありません、逆に胃がんの膵臓への転移や、脳や骨などへの転移の危険性も高い。もし転移していた場合は、がん細胞がすでに血液やリンパ液など全身を巡っていると考えられます。そのため、手術は基本的には行われず、抗がん剤と放射線治療、緩和ケアなどが主になります」(専門医)

 膵臓がんと最も関係が深い糖尿病。ここで、糖尿病の予防法を改めておさらいしておこう。
 「基本的には、食生活をしっかりと見直すことです。朝・昼・晩はきちんと食べ、間食は控える。外出での昼食は、弁当を持参するなどして、極力カロリーを抑えること。外食する場合も、和食を意識すること。野菜や海草、玄米、麦ごはん、さらにキノコ類などで、食物繊維を含む食材を積極的に摂ることも大事です。また、コーヒー好きで砂糖を入れる人は、代わりに人工甘味料を使い、なるべくストレスにならないように継続していくことも大切です」(健康ライター)
 野菜については、ピーマン、ほうれん草、にんじんなどの緑黄色野菜、また、白菜やキャベツなども食物繊維が非常に豊富で、1日350グラムを目標に摂取すべきだという。

 千代の富士の死去から2週間後の8月14日には、プロ野球の西鉄(現西武)黄金時代支え、独自の野球評論で活躍した豊田泰光氏が、誤嚥性肺炎のため死去した(享年81歳)。
 豊田氏は'01年、直腸に初期の大腸がんがあると宣告され、手術と治療に努めてきた。生前、豊田氏は、がんの恐怖をこう語っている。
 「医者に行くときは覚悟して行かないとダメだ。大丈夫かな、きっと大丈夫なはず、なんて弱気で言ったら野球なら負けてしまう。がんかもしれないという思いがあったなら、“さあ、行こう”という気持ちで病院に行く。オドオドしているのはみっともないから。だが、恐怖だよ。平気な顔をしていたが、ほんと参った。まだ若いのにがんで死んだらどうするんだ。頭がすぐにそっちに行った」

 がんの前では、どんなに身体が丈夫だと自負する人も、心を弱くしてしまう。後悔しないためにも、日頃から身体をいたわる生活を心掛けよう。