(写真=S-KOREA編集部)第1回「コリアカップ」が開催されるソウル競馬場

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本日9月11日、フランスのシャンティイ競馬場では、今年の日本ダービー馬マカヒキがニエル賞に出走する。大本番である凱旋門賞の前哨戦だけに、注目している競馬ファンも多いことだろう。

遠くフランスだけでなく、お隣・韓国でも同日、日本馬が出走するのをご存知だろうか。「2022年にパート1国に昇格」を目指す韓国が、第1回目となる「コリアカップ」を開催するのだ。

韓国競馬の発展には、日本競馬の影響が少なくない

そもそも韓国では、2013年9月から韓国馬事会(KRA)と東京シティ競馬(TCK)による国際交流競走、いわば“競馬日韓戦”が毎年行われてきた。

初の競馬日韓戦がソウル競馬場で行われた直後のKRA国際協力部長のインタビューを見ると、「韓国競馬のロールモデルは日本競馬」としているのではないか。

それからわずか3年後となる今日、日本だけでなくアメリカ、フランス、イギリス、アラブ首長国連邦、香港などのパート1国から競走馬を招待し、大規模な国際競走を主催するようになったのだから、韓国はもちろん、日本の競馬関係者たちにとっても感慨深いかぎりだろう。

というのも、近年著しい韓国競馬の発展には、日本競馬の影響が少なくないのだ。前出のKRA部長が「韓国の競馬関係者は日本競馬をベンチマーキングして、お手本にしている」と話しているだけでなく、日本の種牡馬が韓国に渡ってレベルの底上げに貢献していることも見逃せないだろう。
(参考記事: コリアンダービー馬やGI馬を輩出!! 韓国に渡った日本の種牡馬たち

「コリアカップ」で注目の“韓国のナリタブライアン”

そんな韓国で9月11日に行われる国際競走は2レース。16時25分発走の「コリアスプリント」(ダート1200m)と、17時30分発走の「コリアカップ」(ダート1800m)だ。

それぞれ海外から招待された7頭と韓国馬9頭が対戦するのだが、日本からは「コリアカップ」にクリソライトとクリノスターオー、「コリアスプリント」にグレープブランデーとミリオンヴォルツの計4頭が出走する。 「コリアカップ」の出馬表を見てみると、クリソライトは3番に入った。

韓国が第1回「コリアカップ」にかける思いには、目を見張るものがある。

なんといっても賞金額の大きさだ。総賞金額は17億ウォン(約1億7000万円)で韓国競馬史上、最高レベルの賞金をかけている。優勝賞金は「コリアスプリント」が4億ウォン、「コリアカップ」が5億6000万ウォンとなっており、これは日本のG2レースに匹敵する額となる。世界一賞金が高いといわれる日本の感覚からしても、決して少なくない賞金額なのではないだろうか。

海外勢を迎え撃つ韓国競走馬も本気だ。KRA関係者が「並みの競走馬は申請すらできなかった」と話すほど、厳選に厳選を重ねた韓国を代表する18頭が出走する。

なんといっても目玉は、「コリアカップ」に出走するパワーブレイド(POWER BLADE)だろう。9年ぶりとなる三冠馬で、名実ともに韓国内国産最強の3歳馬らしい。

かつてのジャパンカップのように・・・

パワーブレイドがどこまで戦えるかというのは、韓国競馬の現在地を知る格好の指針となる。といっても、現実的に考えると韓国馬が勝つ可能性はほとんどないだろう。あくまで目安にしかならないが、パワーブレイドのダート1800mの持ち時計は1:52.1。日本のクリソライト(同1:50.5)とは大きな開きがある。

パワーブレイドを管理するキム・ヨングァン調教師も慎重で、「海外から参戦するほとんどがパート1国で活躍している競走馬たち。心配しているのが実際のところ」と話している。こと競馬に限ると韓国は、関係者たちが自国のレベルを冷静に分析している印象だ。

レース当日には、K-POP公演やチアリーディング、特設フードコートなどのイベントも目白押し。また、世界最大規模となるソウル競馬場の新しいターフビジョン(横127.2m×縦13.6m)もお披露目されるという。東京競馬場の巨大ターフビジョンが横66.4mということなので、競馬ファンにはその大きさが伝わるかもしれない。

どのようなレース結果になったとしても、韓国で「コリアカップ」が行われる意義は深い。日本競馬は1981年の第1回ジャパンカップで、世界の強さを肌で感じたという。それと同じように、今度は日本馬が「コリアカップ」で韓国競馬に大きな刺激を与えてくれればと切に願う。

(文=慎 武宏)