古城を抱く情緒あふれる景観で有名なハイデルベルクは、ドイツ最古の大学がある大学町としても知られています。

そんな大学町ならではのスポットが学生牢。

1712年から1914年のあいだに、喧嘩や騒音といった公共の秩序を乱す微罪を犯した学生たちが収容された学生牢が公開されており、ハイデルベルクの観光名所のひとつとなっています。

学生牢があるのは、大学旧館の裏手。1階の大学ショップでチケットを購入します。

1386年に創立されたハイデルベルク大学は、ドイツ最古の歴史を誇る大学。かつて大学内は治外法権で、学生が街で騒ぎを起こしても警察が介入することはできませんでした。そこで大学が問題を起こした学生を処罰するための牢を造り、独自に処分を行っていたのです。

階段や廊下もここで過ごした学生たちの落書きでびっしり。

学生牢での拘禁期間は、罪の重さに応じて2日から4週間。実際のところ、騒ぎを起こしてここに入ることは一種のステイタスで、卒業までに一度はここに入りたいと考えた学生も少なくなかったのだとか。

学生たちは、自分の名前やここに入ることになった罪状、拘禁期間などを、当時流行していた影絵の似顔絵とあわせて、一種の「男の勲章」としてここに書き残しました。

影絵に描かれている帽子は、その学生が所属していた学生クラブのもので、この帽子が日本に伝わり、学生帽の原型になったといわれています。

「監獄」と聞いてイメージするような陰惨な雰囲気はまったくなく、どこかからりとした明るさがあります。

ここに入れられた学生たちは、それぞれの牢を「サンスーシ」「グランドホテル」などと呼び、意外にも快適な投獄生活を楽しんでいたようです。

当時の学生たちの有り余るエネルギーが感じられる大学牢はまさに青春のシンボル。そして、学生牢が使われなくなった今となっては、当時の大学文化を現在に伝える貴重な文化財でもあります。

やんちゃな学生たちも、自分たちが施した「アート」が、のちに大勢の観光客に見られることになるとは思っていなかったのではないでしょうか。

学生牢の入場券は、大学旧館の大学博物館とアルテ・アウラ(大講堂旧館)との共通券。

一階にある大学博物館では、ドイツ最古の大学、ハイデルベルク大学の歴史をたどることができます。


二階にあるアルテ・アウラ(大講堂旧館)は、1886年に大学創立500周年を記念してつくられた講堂。ネオ・ルネッサンス様式の豪華な装飾が施されたこの空間で、今も大学の式典が執り行われています。

神学、法学、医学、哲学の4つの学部を表す天井の絵画は大学ならではの装飾。歴史の重みを感じさせる荘厳な空間は一見の価値があります。

ハイデルベルクの街とは切っても切れない大学の歴史に触れて、ハイデルベルクの旅をもっと楽しんでみませんか。

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