もっと美味しく!旬の味覚の食べ合わせ

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執筆:山本 ともよ(管理栄養士)


海の幸に山の幸、おいしいものがいっぱいの秋。旬の食材は、おいしさはもちろん、栄養成分も豊富に含まれています。


極上の秋の味覚を栄養面でもフル活用するヒントを探ってみました。

「食欲の秋」のワケ

そもそも「味覚の秋」「食欲の秋」というほど、秋においしいものが出揃うのはどうしてなのか。
それは「暑い夏」と「寒い冬」の間に挟まれた季節であることが大きな理由のひとつです。

秋には梅雨の雨水と夏の日差しですくすくと育ったお米や多くの野菜、果物がいっせいに食べごろの収穫期を迎えます。海の中でも、これからやってくる寒い冬や産卵期に備えてたくさん餌を食べ、脂がのっておいしさも栄養価も高まる魚が多いのです。

また私たち人間も、気温が下がることによって基礎代謝量が上がるうえ、日照量の低下が食欲を調整する、脳内の神経伝達物質・セロトニンを減少させることで、よりたくさん食べたくなるのだと考えられます。

秋の食材、効果的な食べ合わせ

農作物も海産物も、旬の食材は他の時期より栄養素が豊富です。つまり秋の味覚を味わうだけで、その恩恵を得られることになりますが、さらに栄養面での効果を高める「食べ合わせ」をみてみましょう。

鮭とかぼちゃで若返り?

鮭の赤い色素成分である「アスタキサンチン」。これは、体の老化を予防する「抗酸化物質の」中でも強力なもののひとつ。同様に抗酸化力の高いビタミンEや、骨粗しょう症の予防に効果的なビタミンDも豊富な鮭は、アンチエイジング効果を期待できる食材の代表格といえます。


かぼちゃも、抗酸化力や免疫力の向上に役立つとされるビタミンA、C、Eが豊富な強い抗酸化力を持つ野菜。かぼちゃの旬はあまり知られていませんが、9〜11月頃。収穫は7〜8月ですが、2〜3か月寝かせることで美味しさが増します。

旬の鮭とかぼちゃは抗酸化、つまり老化予防の面では“超強力な”組み合わせと言えます。

牡蠣と酢で美肌に?

秋以降に旬を迎える牡蠣。栄養豊富な食材ですが、特に「亜鉛」の含有量はトップクラス。亜鉛は、男性の精子の生産に必要なだけでなく、肌や髪、爪などの健康や視力の維持にも大きく関わっています。

ただし、亜鉛などのミネラルは単独では体に吸収されにくい性質があります。そこで役立つのが、酢に含まれるクエン酸。クエン酸による「キレート」という作用でミネラルの吸収率が高まり、少量の牡蠣でも亜鉛を効率良く摂取できるのです。


酢には美容に欠かせないアミノ酸も多く含まれるため、牡蠣と酢は美肌に効果的な組み合わせといえるでしょう。

栄養効果がダウン?の食べ合わせ


一方で、栄養効果がダウンする可能性のある食べ合わせもあります。

例えば、サンマの塩焼きと漬物を食べ合わせると、ニトロソアミンという発ガン性物質が発生してしまいます。といっても、サンマと漬物の組み合わせは秋の献立として食されてきています。

これらはいずれも一定の根拠はあるようですが、大量に食べ合わせない限りは、それほど心配する必要はありません。が、どうせならもっと賢く食べちゃいましょう。

ビタミンCは「ニトロソアミン」の生成を抑制します。大根おろしやすだち、レモンなど、ビタミンCが豊富な野菜や柑橘類を一緒に摂るようにしましょう。今一番おいしい旬の味を栄養面でも賢く活用し、最高の秋を楽しみたいですね。


<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中