『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』(やなせたかし/発行:フレーベル館、発売:復刊ドットコム)

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 誰もが子供のころ、TVアニメや絵本などで一度は夢中になった“やなせたかし”原作の「アンパンマン」。正義の味方で町のみんなを優しく勇敢に守るというほのぼのとしたイメージが強いのだが、誕生した初期のアンパンマンは少し違う。そんなあまり知られていない初期のアンパンマンのエピソードを収めた『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』が2016年10月中旬に発売される。これには「なんでもっと早く出さなかったの!? めちゃくちゃ面白そう!」「なんですと!? 絶対買いでしょ!」と大反響が上がっている。

 同作は1976年から1982年にかけて、『月刊いちごえほん』にて連載された『あんぱんまん』および『アンパンマン』の全71話を再編集し単行本化したもの。幻のエピソード「トースター島のなぞ」も収録されており、知る人ぞ知る“超初期”のアンパンマンの姿を見ることができる。あまり知られていないが、主要キャラクターの多くが『月刊いちごえほん』版の『アンパンマン』で誕生したと言われており、中には今のイメージと少し違う性格を持っているものも。

 アンパンマンをはじめ、バタコさんやチーズも驚くほど今のイメージと違い、内容もコミカルで笑えるものが多いようだ。あるエピソードでは、元旦という設定らしく、ジャムおじさんが「あんぱんまん はつひのでをみにいこうか」とアンパンマンを誘うところから物語が始まる。アンパンマンは「ぼくがつれてってあげますよ」と言ってジャムおじさんを背中に乗せ、空を飛行。するとジャムおじさんはニコニコ笑顔で「ひゃあ きもちがいい ばんざーーーい」とテンションMAXで両手を上げる。アンパンマンが心配顔で「ジャムおじさん てをはなしちゃあぶない!」と忠告するも時すでに遅し。「たすけてえー!」と叫びながらジャムおじさんはくるくると螺旋を描きながら墜落してしまう――。という中々シュールな内容。

 さらに、バタコさんはよく知られる優等生的なお嬢さんキャラクターではなく、好奇心旺盛なお転婆娘、チーズは実はばいきんまんの手先だったなど、現在のアニメしか知らない人からすると驚くことばかり。さらにばいきんまんの仲間で謎のキャラクター“フケツマン”も登場する。

 そんな初期の『アンパンマン』ファンは多く、「かつてのアンパンマンを読みたい!」という声がかねてからあちこちで響いていた。そんな折、絶版や品切れによって手に入らなくなった本を、投票によって復刊させることのできるサービス“復刊ドットコム”で、「初期アンパンマン」に対する復刊の要望が多く集まった。投票者のコメントには「最新のアンパンマンも息子と一緒に楽しんでいますが、初期も味わいがあって大好き! 是非完全本で読みたい!」「初期作品、すごく興味があります。全然違うキャラクターの物語を手に入れたいです」「面白いと噂は聞いていたけど読める媒体がない…絶対ほしい!」と多くのアンパンマンファンから熱い要望が。

 そしてこの度、得票数が一定数に達したことから『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』として発売されることが決定。これには「やったーーー!! むかし『いちごえほん』に載ってたの読んでたよ、大好き!」「バイキンマンがハエたたきで退治されたりするんだよね(笑)ちょっとブラックで楽しいと思う」「キャラクターが今よりも人間味があって好きです! 予約しなくちゃっ」「投票してくれた人ありがとう! ずっと欲しかった初期のアンパンマンが手に入るなんて、こんな嬉しいことない!」と多くのアンパンマンファンが歓喜に沸いた。

 発売決定後の反響はすさまじく、予約が開始されている同作は、復刊ドットコムの2016年8月月間販売ランキングで既に1位を獲得している。多くのアンパンマンファンが待ち望んだ『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』。手に取り、現在のアンパンマンや仲間たちのギャップに驚き、今では見られない新鮮なユーモアに笑い転げてみてはいかがだろうか。