地方出身の女性が東京に上京するタイミングは、実は3回あります。

第1の波:「ファーストウェーブ」地方の高校を卒業し、東京への進学。

第2の波:「セカンドウェーブ」地方の学校を卒業し、東京への就職。

この2つの波はよく知られていますが、第3の波が存在していることは、あまり知られていません。

第3の波:「サードウェーブ」それは、

30歳前後で地方での人生に見切りをつけ、東京に新たな人生を求めて上京する独身女性達の潮流。

この波に乗り、30歳前後で地方から東京へ上京してきた独身女性達を『Suits WOMAN』では 「サードウェーブ女子」 と名付けました。地方在住アラサー独身女性はなぜ東京を目指したのか?  その「動機」と「東京での今」に迫りたいと思います。

今回お話を伺ったサードウェーブ女子、東野美貴さん(仮名・36歳)は大阪府出身。華奢でスレンダーと、初対面では女性らしい印象を持つ女性です。服装はシンプルでカジュアルながら、小物には派手な光物や柄物が目立つところに大阪らしさを感じます。彼女は現在、一般用医薬品販売の国家資格である登録販売者としてドラックストアで勤めています。

――「東京」ってどんなところだと思っていましたか?

「物価が高いところ、家賃が高いところといったイメージです。人件費も高く、高校生から1000円ぐらいの時給で働けるところですよね。なんとなく住みにくいんじゃないかなと思っていました。それと、地方人が集まってできている街だと、生粋の東京人なんていないとも思っていましたね」

美貴さんは、大阪府と京都府の間にある茨木市の郊外の生まれ。アパレル関係の営業職の父、工場勤めの母との3人家族です。一人っ子だからワガママなイメージを持たれてはいけないと、母親からは厳しくしつけられたといいます。地元の普通科の高校を卒業後、家からバスで一本の地元の短期大学へ進学します。

「一人っ子って親から甘やかされているイメージがあるじゃないですか。そう思われるのが母親はすごい嫌だったみたいで厳しかったですね。とにかく『一人でやりなさい!』が口癖で、甘えさせてもらった記憶がありません。まぁ、昔からあまり深く考え込まないところがあり卑屈になることはなかったし、おかげで周りからも一人っ子と思われたことはないです。短大はちょうど行きたい学部もあったので、家から一番近いところに行きました。ここは高校から指定校推薦で入れるところで、試験もなく小論文のみで合格できたんですよね。学部は家政科の被服コースです。父がアパレル関係の仕事をしていて、母も洋裁が得意だったので、自然と服作りが好きだったんです」

短大ではカバンからコートまで作り方を学び、充実した2年間を過ごしました。卒業後は、外食チェーンのカフェ事業部でホールスタッフとして働くことになります。

就職して運命の出会いが……!

「短大時代にアルバイトしていたカフェにそのまま就職したんです。私の時代はなかなか就職が厳しい時代で、しかも短大卒だったので周りが苦労していたんですよね。就活を嫌々始めようとしていた時にバイト先に勧誘されて、そのまま社員になりました。就職してからはとにかく忙しかったですね。今までアルバイトだった立場から、アルバイトを管理する立場に加え、働く人が少ない時にはキッチン補助を行なったりと、ほぼ休みはありませんでした。あまりの激務で1年に満たない時期に体調を崩して辞めることになるんです」

しかし、そこで運命の出会いがあったといいます。

「同じ時期に入社した男性と、お付き合いすることになります。彼は2歳年上の元自衛隊の方でガッチリした方でした。第一印象は元スポーツマンなのかな、と思ったほど黒かったですね。研修の時からたまたま隣の席だったのでしゃべるようになり、配属されたお店も一緒で勤めてから3か月ほどで付き合いだしました。彼は変わった人で常に予想していない返しがあるというか、よくわからないところがとにかく一緒にいて楽しかったんですよね。お店を辞めてからも彼とのお付き合いは続きました」

飲食店を辞めてからは、しばらくゆっくり働きたいと実家の近所のドラッグストアでアルバイトを始めます。そして……。

「彼と付き合って3年ほどたった24歳の時に結婚しました。彼の結婚願望がとにかく強かったんです。付き合って1年ほどたった時にすでにプロポーズされて、その時はまだ22歳で早いとお断りしたんです。そして23歳の時に再度プロポーズされて、2回目は断りにくかったというか……。きっとずっと一緒にいるだろうと思っていたので、深く考えずに結婚することにしましたね」

結婚後もドラッグストアでアルバイトを続け、彼は飲食店で継続して働いており忙しく、たまにしか2人で出かけられないながらも、結婚生活はそれなりに順調だったといいます。しかし結婚生活が3年ほど続いたある日、衝撃の朝を迎えることになります。

「朝起きたら、旦那がいなくなってたんです」

就職先で運命の恋をして24歳で結婚。生まれ育った大阪で順風満帆な人生をこれからも送る予定だったが……。

その後、このまま続くと思われた人生が大きく変わってきます……。続きは【サードウェーブ女子〜アラサー女子上京物語〜】離婚を機にすべてにさよならするため東京へ向かった大阪女子〜その2〜に続きます。