スイス犬と人々の暮らし

スイスでは酪農や牧畜など、人間が生活する上でスイス犬の存在は欠かせませんでした。
皆さんの中でも、TVアニメ「アルプスの少女ハイジ」に登場するヨーゼフが、おじいさんやハイジと一緒に暮らし、仕事をする(大半は寝ていたり、カタツムリを食べていたりしていますが、笑)スイス犬のイメージをお持ちではないでしょうか?

スイスの国面積は九州より少し大きなぐらいで、アルプス山脈とジュラ山脈という大きな山脈があります。
また、アルプス山脈の北側にはスイス高原と呼ばれる台地が広がっており、スイス高原はスイスの1/3ぐらいの面積で、ここにスイス国民の2/3が居住しているとされます。

チューリヒ、バーゼル、ベルン、ジュネーブ、ローザンヌ・・・聞き覚えのあるこれだけの街がスイスにあるんですね。

現代のスイス犬達は、例えば飼い主さんと一緒にレストランに入れたり、公共の乗り物に乗車できるなど、人間のパートナーとして、ごくごく自然に暮らしている光景がそこかしこで当たり前に見られるそうです。

もちろん、何でも自由というわけではなく、飼い主としての責任やトレーニングのシステムも確立されているからこそ成り立つのでしょう。また、ペットとしてだけではなく、阪神淡路大震災や東日本大震災の折に、いち早く名乗りをあげて日本入りしたスイスの救助犬の存在も忘れてはならないでしょう。

スイスは「災害救助犬」がはじまった国とも言われています。
先に挙げた様に、スイスは多くの高山がある国でもあり、山での遭難や雪崩等の災害の折に山岳救助に犬の力を活用してきた歴史があります。40人以上の人命を救助したスイス犬セント・バーナード「バリー号」は、死後、ベルン自然史美術館に引き取られ、剥製として大切に保存されています。

このように、様々なシーンで犬の存在が愛され大切にされている国、スイスを原産国とするスイス犬達を紹介します。

セント・バーナード

先に紹介したバリー号、そしてTVアニメ・アルプスの少女ハイジに登場するヨーゼフのモデルになったことでも有名なスイス犬です。あらゆる犬種の中で最大級の体格を誇り、成犬は標準で体高が65〜90cm、体重は50〜91kgほどにもなります。

救助犬として使役されている一方で温厚で甘えん坊な性質も併せ持ち、日本では家庭犬としても人気のある犬種の1つです。

バーニーズ・マウンテン・ドッグ

スイス犬の中にはマウンテンドッグと呼ばれる大型犬種4犬種が存在し、バーニーズ・マウンテン・ドッグはその1つで、日本では一番よく知られているマウンテンドッグと言えるでしょう。成犬は標準で体高が58〜70cm、体重は32〜54kgほど。

古くには牧畜犬として育てられたようですが、後に適正を見出され、市場等で荷車を引く「挽曳犬」として重宝されました。一時は雑種化のために絶滅寸前に陥りましたが、熱心なブリーダー達の活動により、正統な個体が復元されました。

現在では、欧米を中心に家庭犬としての人気が高い犬種ですが、俗に言う"血の濃さ”故、骨格や関節の先天的疾患や攻撃的な性格を有する個体が出現することも知られています。

グレーター・スイス・マウンテン・ドッグ

スイス原産のマウンテンドッグの1つで、伝統的なスイスの牧畜犬の中では最大の体格をもつスイス犬です。
バーニーズ・マウンテン・ドッグと類似した経緯を辿り、一時は絶滅しかかったこともあり個体数は非常に少なく、全世界の主要な全犬種ケネルクラブにあまり公認されていない犬種で、2008年現在、ジャパンケネルクラブには公認されていません。

力強さや飼い主への忠誠心、温和な性質にくわえ、家族を守ろうとする心を持ち合わせており、特に子供を守る性質が強いとされているスイス犬です。

スイス・ハウンド

スイス犬の中でも、セントハウンド犬種に分類される犬です。ハウンドとは「獣猟犬」を意味し、ウサギやキツネといった小動物やシカ等の狩りに用いられる犬を指し、セントハウンドはその中でも嗅覚と持久力が特徴です。ペットとしてではなく、実猟犬として飼育されているのが大半で、日本国内でお目にかかるケースはほとんどないといっても過言ではないでしょう。

シュヴィーツ・ラウフフンド

スモール・スイス・ハウンドとも呼ばれる、先に紹介したスイス・ハウンドの足を短くしたスイス犬です。地域限定の希少種で、ほぼ全ての犬が原産地で実猟犬として使われています。

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ

シェパードといえば警察犬を連想しますが、それは正解!日本の警察犬でもあるジャーマン・シェパード・ドッグのスイス犬の白色種をさします。成犬は標準で体高が60〜66cm、体重は30〜40kgほどの大型犬で、日本でも隠れファンがいる犬種です。穏やかな性質を持ち、利口で注意深いので躾が入りやすい等、パートナーとしての資質は優れている点も人気があるポイントのようです。

まとめ

大自然の中で、街の中で、人間と共に生きてきたスイス犬達。世界中で愛されているのも納得ですね。彼・彼女達が、これからも健やかで幸せであることを願うばかりです。