東京女子医科大学とインターネットメディア・医療サービスのポートが2016年9月6日、高血圧の治療を、テレビ電話などを使った遠隔診療で行なう実証研究を共同で始めたと発表した。

高血圧を自覚しながら医療機関で受診しない人は非常に多い。従来の対面診療と遠隔診療の治療効果を比較し、遠隔診療の効果が確認されれば、そうした「潜在患者」に治療につなげたい考えだ。

高血圧は命にかかわる重大病のスタート

厚生労働省の調査によると、国内の高血圧の患者数は約4300万人と推計されるが、その半分は医療機関を受診していないという。高血圧は糖尿病や脳梗塞、心臓病など命にかかわる重大な疾患の原因になる恐ろしい病気だ。

今回の実証研究の対象は、糖尿病や脳梗塞などがない都市部に住む高血圧患者450人。都市部に多い、仕事や子育て、介護などで病院へ行く時間が取れない人を想定した。対象者は、家庭用自動血圧計とスマートフォンで検査データを週に3回以上、担当医のもとに送信する。担当医はそのデータを参照し治療方針や処方薬を決定、テレビ電話などを通じて患者に伝える。処方薬は自宅に郵送される。研究期間は2016年9月1日から2019年3月末まで。

同大学の市原淳弘教授は、記者会見で「遠隔診療の効果が対面型と同等か、また安全かどうかを実証研究で確かめたい。通院が不要になれば、より気軽に治療を受けられ、多くの人を将来の重大な病気の発症から予防することができる」と語った。