まだまだ暑さが続く9月、夏は水にまつわる事故、熱中症などで救急搬送されるというニュースをよく耳にするものです。
9月9日は、その語呂合わせから、厚生労働省と消防庁によって「救急の日」に制定されています。
救急業務や医療について理解と認識を深めてもらおうという目的のもと、1982年に制定されました。
また、日本では当たり前の救急車も世界各国さまざまな違いがあるとか……。
救急の日に合わせて、世界の救急車事情に迫ります。

白地に赤のラインが入った日本の救急車


戦時中に生まれた救急車

人の命を守るため、欠かせない存在の救急車。
初めて救急車が世界に登場したのは、19世紀初めといわれています。ナポレオン戦争の際に、負傷した兵士の迅速な手当てをするため、人を運ぶシステムができあがったといいます。もちろん、この頃は自動車がありませんので、人力車や馬車が救急車として使われていました。
戦時中の負傷者搬送の目的として使われていた救急車ですが、1920年代に、自動車が登場してから今のような救急車のスタイルが世界に広がっていきました。先進国では、ほとんどの国で救急車は存在しますが、その姿は国によってさまざまです。


驚きの海外救急車事情

日本では、緊急の場合119番を呼べば救急車が来てくれ、もちろん無料で病院に連れていってくれます。ところが、海外では「救急車=無料」というシステムが当たり前ではないのです。
例えば、アメリカの場合だと官営と民営の救急車がありますが、なんといずれも「有料」なのです。値段は州によって違いますが、例えばロサンゼルスでは官営の救急車だと日本円で約5万円、民営だと基本料金プラスでマイルが進むごとのタクシー方式で代金を支払うことに。
さらに、上には上の国が……。オーストラリアでは、なんと約9万円の代金がかかるのだとか……。
このように有料の国はいずれも、安易に救急車をタクシーのように呼びつけないようにという防止策として高額な代金を支払うことになっているのです。
とはいっても、緊急の場合は海外でもやはり救急車が必要なことも。
日本の場合は「119」の3ケタの番号を押せば、救急車を呼ぶことができますが、海外では番号が日本とは違うので要注意です。
オーストラリアでは「000」の番号で救急車が来ますが、これは警察を呼ぶ番号と同じ……。万が一、海外で救急車を呼ぶことがあったら金額面でも電話でも注意が必要ですね。

ロサンゼルスの救急車は赤くて大きめ

ロサンゼルスの救急車は赤くて大きめ


住民に配慮した日本のサイレン

日本と海外の違いといえば、サイレンの音も国によってさまざま。
救急車のサイレンというと、「ドップラー効果」によって遠くにいるときと、近くにいるときで音の高さが違って聞こえるといわれています。この現象は物理的なもので波長の違いによって起こるものです。
ですが、日本の一部の救急車では、目的地付近であえて音を変えているものもあるのです。サイレンを鳴らすのは、人命救助のため、より早く目的地に着くよう道路を空ける必要があるからですが、深夜の住宅地となると周囲の住民への迷惑になってしまいかねません。一部の救急車では「住宅モード」というものを採用していて、耳障りな音ではなくソフトの音がするサイレンにしている例もあります。救急車に乗る人だけでなく、周囲へ配慮しているところは日本らしいやさしさなのかもしれませんね。
── 無料が当たり前となっている日本の救急車。
その当たり前に甘えることなく、救急車を呼ぶ際は適切がどうかしっかり判断することが大事ですね。

サイレンも国によって音が違います

サイレンも国によって音が違います