その発疹は「膿皮症」かも?こんな症状にご注意を!

↑はできてから3日程と思われる膿皮症。小豆大のものが2つ、膿が出ています。

↑上の写真と同じ頃にできた、違う部位の膿皮症。小さな発疹が2つ、手で触れると周辺の毛やフケのようなものがポロポロとはがれています

膿皮症は主に犬の皮膚にできる、発疹を伴う皮膚疾患で、犬の皮膚病の中ではもっとも多いと言われるぐらい、ポピュラーなものです。体幹(背中、腹)足の付け根、耳の裏など、色々なところに現れます。膿皮症は感染するスピードが早いという特徴があり、ひとつ発疹が出来れば身体のあちこちにどんどん増え、完治するまでに時間を要します。

また、症状が進行すれば強い痒みを伴い、引っ掻くことで、更に治療が長引きます。愛犬の身体に発疹を見つけたら、まずは全身チェック!そして、以下のような特徴があったり、ひどく痒がる症状があれば「膿皮症」を疑って、一刻も早く治療をはじめましょう。

赤味のあるポツンとした発疹ができる、それが日に日に増える膿を出すジュクジュクの発疹がある、それが日に日に増える発疹がある部分の毛が抜けている、ポロポロとフケのようなものが出ている発疹がある部分の皮膚が色素沈着を起こしている鼻の頭にだけ発疹が出ている(短頭種に多い膿皮症のタイプ)肉球の間や足先が腫れている、膿んでいる(他の疾患が膿皮症を起こすタイプ)

膿皮症の基礎知識

膿皮症とは?

人間も犬も同じですが、普段から皮膚には一定の菌を常在させています。 しかし、何らかの原因で皮膚環境のバランスが崩れた時に、皮膚に常在している菌のひとつ「黄色ブドウ球菌」が異常繁殖し、症状化した状態を「膿皮症」と総称します。

膿皮症の初期段階では皮膚の浅い部分にできる表面性膿皮症、毛の根元に達した浅在性膿皮症(表在性膿皮症)、更に皮下組織にまで進行した深在性膿皮症と進行の段階別に分類されます。進行が進む程、痒みや発熱などの愛犬を苦しませる症状が出てきます。

膿皮症になる要因は様々!

大きく分けて、『環境の衛生面』、『他の疾患』がある場合が考えられます。

環境面

不潔・不衛生、そして湿気が多い時期には、ブドウ球菌が繁殖しやすくなります。日本では春先の雨のシーズンや梅雨頃から、派生率が飛躍的にあがる傾向にあるようです。

他の疾患がある場合

食物アレルギー、アトピー、脂漏症、クッシング症候群、糖尿病、肝臓病、クッシング症候群、甲状腺機能低下といった皮膚に影響を与える基礎疾患が膿皮症をひき起こしている場合や、ニキビダニ、マダニ等の皮膚の寄生虫疾患が膿皮症を起こしている場合もあります。

例外として、ジャーマンシェパードには原因不明の「全身性膿皮症(特発性膿皮症)」という疾患があります。

膿皮症はどの犬種にも現れますが、免疫力や抵抗力が低い子犬やシニア犬、アレルギー体質の犬の場合は、特に注意してあげる必要があるでしょう。

膿皮症の一般的な診断と治療

発疹や膿から検出される菌の分析や視診と共に、基礎疾患がないかどうかを見極めた上で、治療方針を決めます。(基礎疾患がある場合はその治療が優先です)膿皮症の診断自体はついても、その原因が何かを突き止めるのは獣医でも容易ではありません。

獣医と飼い主さんとの連携が非常に大切なので、普段から愛犬の様子を観察し、気になる点はしっかり伝えましょう。犬が膿皮症を診断された場合は、以下のような治療が中心となります。

抗生物質の投与

膿皮症の連鎖と進行を止めるために用います。場合によって長期になること、軟便になるなど副作用もあります。また、菌に合った抗生物質を使用しないと、全く効き目がありません。

薬用シャンプー(薬浴)

菌の繁殖を抑え、皮膚の清潔を保つために週に1度程度のシャンプーが推奨されますが、シャンプーによるストレス、薬剤の皮膚への負担、乾かしが不十分だとかえって悪化させます。また、膿皮症が進行している場合は、シャンプーが皮膚を傷つけるため禁止となる場合があります。

痒み止め

あまりに犬の痒みがひどい場合はステロイドを用いるケースがあるようですが、対処療法でしかありません。

塗り薬

軽徴な段階なら患部への塗り薬の塗布が効く場合がありますが、進行している場合は、あまり効果がないという説も。

そして、膿皮症は自宅でのケアが大事です。犬のベッドやハウスなどの犬がよく使うものや場所を清潔に保つこと、適切な食餌や運動で体調を整えましょう。

治療費

薬や通院費など、想像以上に治療費がかかってしまいました。ペット保険に入っておけばよかったなと痛感しています。

もちろん愛犬のための治療費はいくらでも惜しみませんが、ずっと健康でいてくれるは限らないので、今後のために入っておくべきだと思いました。

↓で簡単にペット保険の保険料を調べることができますので、一度検討してみてはどうでしょうか。

我が愛犬の膿皮症治療経緯

残念なことに、昨夏、我が家の犬を膿皮症に罹患させてしまいました。完治するまでの半年弱の間、気分的にもお財布的にも痛い思いをしました。ある日突然起こった膿皮症と完治までの経緯をまとめます。

発見はサロンでのシャンプーから数日後

コミュニケーションの最中に、小さなニキビのような発疹を2つ発見。翌日には5カ所見つかりました。小さなポツンとしたものの他、耳の後ろのものは小豆ぐらいのサイズでジュクジュクしていました。その日に診察し、膿皮症と診断。抗生物質は保留し、毎日のケア(塗り薬+患部を清潔に保つ)を行いました。

抗生物質と薬浴の開始

自宅ケアをはじめて1週間。大きくジュクジュクした発疹の治りは進まないものの、小さなものは治ったり存在すらなくなり安心していたところ、雨が降った翌日、一気に新しい発疹が大小含めて5つ見つかりました。

飼い主の方からこのままではダメという判断をし、抗生物質と薬浴を開始しました。抗生物質はラリキシン。朝・晩に半錠ずつを2週間服薬。薬浴には、ビルバゾイルとアデルミルが選ばれ、マイクロバブルと共に病院付属のサロンで行いました。こちらは当分の間、1週間に1度のペースです。

↑この記事の1番最初の写真の同じ部位は、自宅ケアでは変化がなかったものの、抗生物質と週1回のシャンプーをはじめて2週間でここまで回復しました。

新しい発疹ができにくくなる

抗生物質を終えた頃から、新しい発疹ができにくくなり、薬浴は隔週ペースとなりました。また、一番症状がひどく膿んでいた発疹が乾燥状態になりはじめました。ここから新しい発疹が完全にできなくなる(完治)まで、数ヶ月を要しました。

跡を残さずに完治できたこと、そして次々に発疹ができては消えていく過程でも、愛犬が発疹を痒がったり掻いたりすることが全くなかったのは、幸いでした。

ちなみに、我が家の犬が膿皮症にかかった直接的原因と考えられるのが

自宅での濡らすタイプのネッククーラーの使用です。この年に購入したネッククーラーを室内でも長時間使っていたところ、ネッククーラーがあたっている場所から発疹が次々に発生したのでした。愛犬には申し訳なく、心から反省しています。

我が愛犬で実践した膿皮症の自宅でのケア

シャンプーについて

膿皮症があれば一般のサロンでのシャンプーは断られるケースもあります。サロン併設の動物病院がオススメです。薬浴の他、毛穴から綺麗にできるマイクロバブルが利用でき、自宅でのシャンプーよりも効果があると思います。

自宅で行う場合は、強すぎない薬剤を選び特にドライイングを念入りに行って下さい。 シャンプーのやり過ぎは、皮膚に必要な菌までを落としてしまいます。また、乾かしが不十分ですと菌の繁殖の元となり、逆効果となります。

清潔を保つ

とにかく患部を清潔に保ちます。 ジュクジュク膿んだ状態が落ち着いてきたら、ポロポロした白っぽいフケのようなものがではじめますので、コットンなどを使い無理のない範囲で取り除いてあげましょう。この際、炎症を起こしている皮膚にも使えるケアグッズを併用すると、除菌・皮膚の手入れに効果的です。(写真右:アースリーフ/スキンケアウォーター。皮膚のケアの他、ハウスやベッドにも使えます)

乾燥を保つ

特に我が家の場合では、濡らすタイプのネッククーラーの使用と雨の後に発疹が増える傾向が強かったので、クーラーのドライ機能を使う、濡れた場合は徹底的に乾かすなど、足の付け根や耳の後ろ、お腹など、蒸れやすい部分は特に、長時間濡れたままにならないようにしました。(膿皮症の段階や治療によっては、毛を剃る、短くするのが効果的な場合もあるようです。)

塗り薬

犬の発疹に合う薬を使えば、症状がおさまる場合があります。インターネットで買える場合もありますが、種類によっては副作用もありますので、 獣医と相談し、処方して頂きましょう。

食餌の工夫

我が家では手作り食を導入しており、朝はドッグフードに食材をトッピング、夜は完全手作り食、食後はヨーグルトを利用していますが、更にショウガ、亜麻仁油を乾燥させたアマニパウダー、全体にタンパク質(特に魚)と食物繊維(穀物アレルギーがあるのでキノコ類や海藻類を利用)のバランスを増やしました。

最後に

どうしても膿皮症になりやすいタイプの犬はいますが、なるべくかからないように、そしてかかっても軽く済む様にする琴は、飼い主さんの努力で実現できるでしょう。

基礎疾患の治療や衛生のほか、免疫力低下に密接な関係がある腸内環境を整える食事療法はかなり有効のようです。

様々な酵素やサプリが市販されており、あなたの愛犬に合うものを見つけて成果が出るまでには時間がかかりますが、「毎日いいウンチ」ができていれば、膿皮症以外にも様々な病気の予防につながります。早期発見・早期治療に加え、普段からのケアを惜しまずに、お互いに愛犬の健康維持に努めましょう。

また、愛犬がずっと健康でいられるとはかぎりません。万が一大きな治療費がかかってしまう前に、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。

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